私の工場には老人が多かったので、消化器系の病気を持っている人も多い。なので、必然的に粥食・きざみ食の人も多くなる。粥食は文字通り主食のご飯が全部粥になってしまう。胃がんの既往者なんかはそうなってしまうのだが、まぁハッキリ言ってあまり美味しくないので、やはり普通食に戻してほしいらしい。それで担当刑務官にお願いしてもらうのだが、最初は15分間という短い制限時間内に食べられないので、無理やり食べて戻してしまったりするかわいそうな状況になったりする。それで「やっぱり粥食に……」と言うと激怒されて「お前が言ったんじゃねーか」的な対応をされ「もう粥食に戻さなくていいんだな?」とかスゴまれ、泣く泣く我慢して2,3週間頑張っているおじいさんが居て大変そうだなーとか思ったりしていた。 また、刻み食も同様。私が入所した頃は、ほぼ全部の食材が刻まれていて、「これじゃあ食感も何もねーなー」と思っていたら流石にクレームが多かったらしく、肉とか魚みたいなのは刻んで、やわらかめの食材は刻まないということになったようだ。ちょっと痴呆気味のHさんは、いつも刻まれたおかずからフルーツに至るまでの全てを粥食の中にぶちこんで食べてたので、気持ち悪がられてH丼とか呼ばれていたり……。 とにかく配食係の我々にとっては、刻みとか粥の割り振りがそれこそ毎週のように変わるので、準備がてんてこ舞いなのであった。たまに炊場が間違って届けたりもするので、その訂正をして速攻で持ってきてもらったり(面会などが入っている場合を除いて、全員揃わないと食事が始められないからだ)することもあったなぁ─ |
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