まぐまぐユーザーのお悩みを解決するこのコーナー。今週は株式投資に関する質問にお答えします。 | | | | | | 質問 | ただいま無職独身女性で基礎年金のみの支給となります。
3000万円の資金で毎月25万円15年前後は受け取りたく、何種類かの投信組合せを検討しています。
或るFPに相談したところ以下の毎月分配型商品を勧められました。
(1)先進国債券:DIAM高格付インカムOP 600万円 (2)フィデリティUSハイイールドF 600万円 (3)新興国債券:エマージングソブリンOP 600万円 (4)世界リート:フィデリティUSリートB 600万円 (5) 国際ワールドリート 600万円
株式が入っていません。
最近投信といえば追加投資型で長期運用と聞きますが、リタイア世代は上記提案された商品でよいでしょうか。 | | 回答 | 試しに計算してみました。(1)VWINXに投資し、(2)VWINXの過去10年における利率と同じ年7.13%をこれからも稼げて、(3)税金を考慮の外に置き、(4)為替変動の影響がゼロ、の前提です。
30,000,000円で投資を始めて、 1年度には32,139,000円(= 30,000,000 x 1.0713)になり、 生活費で3,000,000円(月250,000円)引き出すので、 1年後の残りは29,139,000円になります。 これを続けると、18年後に資産はゼロになります。
もし生活費としての引き出しを2,139,000円(月178,250円)に押さえられたら、貴女の資産は永遠に30,000,000円のままです (= 30,000,000 x 1.0713 - 2,139,000)。
2,139,000円の引き出しと、基礎年金786,500円、合わせて2,925,500円です。2013年度の総務省・家計調査によると単身世帯の日本平均所得は、 年間3,080,000円ですので、2,925,500円あればいわゆる普通の生活が可能です。
貴女も書いている通り、毎月分配型はコストが高いだけで良い意味がありません。貴女が投資したお金が、グルッと回って貴女に返ってくるだけです。増えて返ってくるのではありません。ただ右ポケットから左ポケットにお金が動くだけのようです。それなのに、購入時手数料3%強分はしっかり減っている。意味の無いものに3%も払ってはいけません。分配はゼロが王道です。現金が必要になったら、その都度に自分で投資を売却したらいいのです。なお、売却時には留保額を置き土産として払う必要があります。
他の方も書いていますが、日本株モノの受身投信は避けるが賢明です。日本という国は、リーマンショックにおいて、震源地より被害が大きかった国です。もっとも、アメリカ株重視を危険視するのも一理あります。何事も一点集中は危険でありましょう。そう考えると、世界株モノであるVTも良い。しかしVTは株100%なので、債権モノ(たとえばBNDなど)を別に買う手間が掛かります。VTを40%、BNDを60%など、自分で手配するのは多少面倒です。ちなみに信託報酬は、VTが0.18%、BNDが0.10%です。
株モノや債権モノ、先進国モノや新興国モノのように、幾つもの投資信託を買うのは面倒です。ですのでひとつで全ての分野をカバーするバランス型が簡単でいい。
バランス型なら、他の方も書いていますが、セゾンのVanguardGlobalBalanceFundも良い。これひとつで自動的に世界株50%、世界債権50%になります。手間要らずで、貴女は何もしなくていい。さらにこのファンドは、購入時手数料0.00%、信託報酬0.74%、留保額0.1%と、貴女がFPに薦められたファンドより遥かに安い。もっとも、信託報酬0.74%というのは、アメリカVanguardからしたら随分高い方です。しかし日本ではこれでもかなり安い方です。ちなみに先日紹介したVWINXは、購入時手数料0.00%、信託報酬0.74%、留保額0.00%です。VWINXは株39%債権61%で、株部分の94%がアメリカで6%がその他外国、債権部分は全てアメリカです。これも良い。
購入時手数料3%強、信託報酬1%強のファンドばかりを貴女に紹介し、購入時手数料ゼロ、信託報酬0.74%以下のVanguardを全く紹介しないFPは信頼に足る人ですか?銀行所属のFPは、紹介料を払ってくれる投資信託ばかりを顧客に薦めたりします。また、頻繁に投信から投信への引越しを進めたりします。引っ越すたびに3%強の購入時手数料が彼らの財布に入るからです。ですので、彼らの助言には注意が必要です。「なんでVanguardを薦めないんですか?」と聞いて、相手が一瞬でもオロオロしたら走って逃げるが賢明です。 | | |