中島 聡 マイクロソフトでWindows95、Windows98、Internet Explorer 3.0/4.0のチーフアーキテクトなどを務めた。現在シアトル在住。「エンジニアのための経営学講座」を中心としたゼミ形式のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では世界に通用するエンジニアになるためのノウハウを分かりやすく解説。 | 一番の理由は、Linux がオープンソースでさまざまな機種に移植することが可能だった点にあります。パソコンの世界では、Microsoft が Windows で支配的な立場を握ってしまいましたが、それ以外の組み込み機器向けでは Microsoft が提供していた Windows CE が市場で成功出来ずにいた間隙をぬって Linux が普及したのです。
Windows CE が市場で成功出来なかった理由は、本が一冊書けるぐらい複雑な話ですが、大局的に言えば「メーカーがMicrosoftにパソコンと同じように主導権を握られるのを嫌った」「Microsoft 自身が金のなる木であるパソコンを中心とした世界からモバイルの世界への急速なシフトを嫌った」という Windows CE の普及を阻む力が強く働いていたためと理解しておいて良いと思います。
さらに興味深いのは、Linux はライセンス問題でもめていた Unix の代用品として作られた OS であり、その問題さえなければ、Linux は生まれていなかったし、オープンソース版の Unix である FreeBSD (Apple が OSX や iOS のベースに採用しています)が Linux の代わりを果たしていただろうという点です。 |
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