放射性物質の被曝が原因とも考えられるガンが増加している。ある東京都の会社では、最近、50代の社員(男性)が急に5名、甲状腺がんや内臓のガンにかかられました。この会社では福島県産の農作物を故意に社員食堂で使っていたといわれます。 また福島県では子供の甲状腺がんの増加が止まらず、これまでの統計の約100倍に近い子どもさんががんになり、かなりの人が手術を受けています。自然に発生するガンがありますので、区別が難しいのですが、福島県を中心としてガンなどが増えているのは間違いなさそうです。 さらに福島原発でこの原因として3つ示し、この記事を読まれた人がご自分でご判断していただくのが良いと思います。 第一に、日本の政府自体が法令を守ろうとしていないということがあります。法令は政府が決めたものではなく、国民相互の約束で、政府はそれを国民の命令によって守る義務を負っているのです。 ところが原発事故以来、「原発からの被曝は、一人1年1ミリシーベルトまで(外部被曝+内部被ばく)」という規定や、「汚染されたもので廃棄できるものは1キログラムあたり100ベクレルまでで、それに違反したら1年以内の懲役」、「土壌が1平方メートル当たり4000ベクレルを超えたら、汚染した人に連絡して片づけさせる」など、事故の前に決めていたことをまったく守っていないことがあげられます。 これについて、政府は前面に出てきませんが、御用学者や専門家を通じて、1年1ミリを1年100ミリまで安全と言ったり、1キロ100ベクレルを1キロ8,000ベクレルまで増やしたりしています。それでは事故前に決めていた1年1ミリや1キロ100ベクレルという規制は「いい加減」だったのでしょうか? 法令の数値を決める時には日本の被曝と健康に関するあらゆる分野の専門家が何回も慎重に議論して決めます。その時に「おおよそ1年1ミリだね」などというあいまいな話ではなく、人間の臓器ごとの過去の被曝と損傷のデータなど、詳しい技術データを基に数値を決定するのです。 だから、事故前に決めていた数値を変えるというのは「危険である」と言ってよいのです。その一つに、原発で働く人の被ばく限度は1年20ミリになっていますが、裁判の判例では1年5ミリ以上の被曝で白血病になった場合、それは「被曝による白血病」と認定されます。福島原発事故のあと、1年5ミリシーベルト以上の被曝を受けた作業員が多く、その人たちが白血病になった場合、労災に認定されると考えられます。 また、もともと原発の作業員が1年20ミリまで被曝が認められているにも関わらず、自主規制で1990年以後、電力会社は自分の従業員に対しては、平均して1年1ミリにしていました。だから、1年1ミリを超えると健康を損なう可能性があると考えてよいと思います。いくら政府に行っても力で押してきますから、私たちはこの事実をよく認識して自衛する必要があります。 第二に、現在の食品安全基準自体が法令に違反していること、また測定が一部しかなされていないことも、私たち国民はよく認識して子供たちを守る必要があります。まず、食品安全基準が1キロ100ベクレル以下となっていますが、これは「内部被曝だけしかない」という前提があります。 ガンが多発している会社の方がお住みのところの空間線量率は平均して1時間0.1マイクロシーベルトぐらいですが、これから自然からのもの0.04マイクロシーベルトを差し引くと、福島原発からの被曝が1時間0.06マイクロシーベルトになり、1年で0.06×8,760時間=525.6マイクロシーベルト、つまり0.53ミリシーベルトになります。外部被曝を0.53ミリ受けているのですから、1ミリシーベルトから0.53を引いて、食材や水などからの被曝を0.47ミリ以下にする必要があります。 さらに水道の基準が1年0.1ミリですから、食材からの限度は0.37ミリというのが「法令」の基準です。そうするとこの社員の人の場合、1キロ37ベクレルが限度となります。ところが、市場に出ている福島県産や関東などの農作物は1キロ100ベクレルですから、本当に守らなければならない基準の3倍近い食材を食べることになるのです。 このような奇妙な食品安全基準ができたのは、できるだけ国民を被曝させて農家を助けようという政府の方針があって、「縦割り行政」を徹底しているからです。水道は水道局、空間線量は文科省、食品安全は農水省で、それぞれで1年1ミリの被曝以下にしようということになっていますから、合計すると3ミリにもなります。ただ水道局は良心的で、「水は10分の1にする」としているので、若干は助かっています。 また食材はセシウムしか測定していないのですが、現実にはストロンチウムなど複数の放射性物質があります。「大変だから」という理由で測定されていません。したがって、安全を見るならさらに現在の2分の1ぐらいがめどになります。長くなりましたので、続きは次回に回します。 |
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