文章力を向上させるためには、まずはたくさん本を読みましょう、などとよく言われる。たくさん本を読み、たくさん文書を読んで、その中から優れた表現を学んでいくのが一番というわけです。 おっしゃるとおり、ごもっとも。 まったくその通りだとは思いますが、本をたくさん読むためには、それだけ時間が必要ですし、そもそも優れた文章がどのようなものか、文章力が低いうちは、イマイチよく分からないという方も多いでしょう。 文章というか、コトバはコミュニケーションのための道具ですので、まずは、自分の思いや考えをできるかぎり正確に、上手に伝えられる文章が優れた文章になってくるのかなとは思いますが、小説家が書く小説や、コラムニストが書くコラムと、科学者が書く科学論文やジャーナリストの書くニュースなどでは、優れた文章の定義も根本的に大きく異なりますよね?特に、日本語の文章は、文化的な背景もあってか、自分の考えや意見をあえてできる限りボカス表現や、論理展開が破綻しているような文章ですら、世間的に良い表現と考えられてたりするので、余計にやっかいかもしれません。 例えば、政治家や官僚や、企業経営者などのちゃんとした大人たちが、平気で、「誠に遺憾に存じます・・・」みたいな表現をよく使っていますが、コミュニケーションのための道具として考えると、何が言いたいのかよく分からない難しい表現をいっぱい使うのは、あまり良くないような気がします。 アメリカでは、最も優れた演説は子どもでも理解できる言葉で語られたもの・・・なんて言われてまして、キング牧師の"I havea dream"演説とか、その他、数々の大統領演説などでも、素晴らしい演説と言われるものほど、子どもでも分かる内容になっているものが多いです。そういう意味では、日本とは真逆かもしれません。だから、本気で文章力を向上させようと思ったら、英語で書かれた文章を日本語に翻訳したものや、ある程度、英語力のある著者が書いた文章などを読んでみると、結構、いろいろと勉強になるような気がします。コトバの表現はイマイチだったとしても、英語ベースの文章からは、論理展開はかなり学べるでしょう。 理想的には、コトバの表現も素晴らしい文章だとより良いんですけど、これがなかなかないんですよね。何か良い参考になるものはないかな?と考えてみたんですけど、ありました。今、日本で大ヒット中のディズニー映画『アナと雪の女王』です。なんか目茶目茶ヒットしていて、5月15日付で累計興行収入176.8億円を突破し、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」(173億円)や、「踊る大捜査線 THE MOVIE2」(173.5億円)を抜いて日本歴代興収6位になってたそうです。累計動員数は約1,391万人。子ども達にも大人気で、何度も見に行く女の子も多いのだとか。当然、一人じゃいけませんから、一緒にご両親やおじいちゃん、おばあちゃんなども行くことになり、3月14日の公開から2カ月経った今もその勢いは衰えてないそうです。 その映画『アナと雪の女王』は、日本語訳の表現がかなり良さそうなんですよ。そもそもタイトルの『アナと雪の女王』がすごいと思います。これ英語の原題、何だか覚えてます?このメルマガでは、『アナと雪の女王』が日本で公開する大分前から、アカデミー賞の話題などでなんだかんだ取り上げてたんですけど、英語の原題は、"Frozen"。近年、洋画を日本で公開する際でも、英語の原題をそのままカタカナでタイトルにする作品が増えているんですけど、これをそのまま『フローズン』で公開したら、ここまでヒットすることはなかったかもしれません。 そこで、『アナと雪の女王』。超ディズニーっぽい(笑)。素晴らしい和訳だと思います。 『アナと雪の女王』は、すっかり日本で広く知られるようになってまして、最近では、略して『アナ雪』などとまで言われてるようですけど、英語の原題をまったく知らない日本人も、結構たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?ひょっとすると、海外のディズニーストアなどで『アナと雪の女王』のグッズがどこにあるか店員さんに聞く際に、『アナと雪の女王』をそのまま英訳して"Anna and Snow Queen"のグッズはどこか?と聞く人も出てくるかも?でも、それで瞬時に、"Frozen"のことだと分かる店員さんはなかなかいないかもしれません。 また、『アナと雪の女王』はテーマ曲の"Let it go"の日本語版の和訳も素晴らしいです。あれが大ヒットの決定打になったという報道もたくさん出てますよね。"Let it go"の邦題は、もう皆さんご存知だと思いますけど、『ありのままで』。歌詞も良いです。原文に忠実。そのうえで、「このままじゃ だめなんだと」のような優れた意訳もバッチリ。完璧な和訳です。英語の勉強にもなりますが、その前に文章力の向上にも、ディズニー作品の英語は最適と言えるでしょう。ディズニー作品は子ども向けなので当たり前ですけど、子どもでも理解できるシンプルな言葉で、深い意味のある大きなメッセージやビジョンを伝える表現が満載ですしね。 |
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