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◆ やぶ医師のひとりごと 第 427号 ◆
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2014年5月2日発行 購読者数 8443名
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＜本日のテーマ＞ 坐骨神経痛の治療
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皆さん、こんにちは。
今回から購読して頂いた方、はじめまして。
循環器内科医のDr. Iです。
先週からは「坐骨神経痛」についてでしたね。
まずは先週の復習。
●坐骨神経痛とは
○腰から骨盤、お尻、足の指先にまで伸びている
坐骨神経が何らかの原因で圧迫、障害されて起こる症状。
○お尻、太ももの裏、すね、ふくらはぎなどに、
痛みやしびれの症状が出る。
○坐骨神経痛の原因で最も多いのは、腰椎椎間板ヘルニアで、
変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症、帯状疱疹などが原因で
坐骨神経痛が起きる事もある。
坐骨神経痛というのは、病気ではなく症状です。
坐骨神経という腰から足の先まで伸びている神経が
圧迫など障害されて、お尻や足の痛みやしびれが出ます。
原因として最も多いのは、腰椎椎間板ヘルニアで、
変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症、帯状疱疹などが原因で
坐骨神経痛が起きる事もありますよ、って話でしたね。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
本日も坐骨神経痛の続きです。
今日は「坐骨神経痛の治療」についてです。
●坐骨神経痛の治療
お尻や太もも、膝、足などに痛みやしびれが出たら、
坐骨神経痛を疑い、検査をして何の病気か診断します。
そいで、原因となる病気があれば、その病気の治療をします。
これ、全ての病気で基本です。
坐骨神経痛というのは病気というより症状ですから、
病気の治療そのものというよりは、
痛みを取る治療がメインになります。
坐骨神経痛の場合は、原因となる病気がなんであれ、
痛みやしびれなど症状を緩和する治療を行います。
こういうのを医学用語で「対症療法」と言います。
治療には順番があってまずは日常生活の指導をして、
それでも改善しないなら、痛み止めなどの薬物療法を行います。
それでも改善なければ、理学療法、ブロック注射、
という順番で治療を進めて、どうしてもダメだって時は
最後の手段で手術などの治療を行います。
では、具体的に見ていきましょう。
１、日常生活の指導
急に悪くなってしまった腰椎椎間板ヘルニアの場合は、
まずは安静にするのが原則です。
高齢者の変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症などの場合、
必ずしも安静が必要とは言えませんけどね。
長い時間座っている事はやめてもらいます。
コルセットをつけて腰を支える不安定な状態を補助し、
坐骨神経痛の出る姿勢にならないようにする方法もあります。
２、薬物療法
痛みやしびれを取る薬ですね。
原因の病気によって使う薬が違う事もあります。
具体的には。
□消炎鎮痛剤（NSAIDs）
いわゆる、痛み止めです。
薬局でも売っているバファリンとか、ロキソニンとか
そんな感じの薬です。
飲み薬と座薬がありますよ。
副作用で胃潰瘍とかになる事もあるので、胃薬と一緒に飲んだり、
副作用に注意して使っていきます。
□温湿布・冷湿布
シップには暖かいやつと冷たいやつがあるんですよ。
どっちを使っても効果は変わらないので、本人が貼ってみて
痛みが和らぐ方を使ってもらいます。
□筋緊張弛緩薬
筋肉の緊張で痛みが長引かないよう、緊張を和らげる薬です。
□末梢循環改善薬
神経組織周辺の血流を改善させ痛みを和らげる薬です。
□ビタミンB12
末梢神経の傷を修復し、神経機能を安定させる薬です。
□プロスタグランディン製剤
腰脊柱管狭窄症では神経組織内での血流障害が原因の一つ
と考えられているので、この病気が原因の場合は
循環改善を目的としてプロスタグランディン(PG)製剤の
内服や注射も用いられます。
３、理学療法（リハビリテーション）
運動やマッサージなど、代謝機能や身体機能などの
改善を目的に行う治療法です。
痛みがあると、痛みのせいで身体を動かさなくなるので、
筋肉が痩せてきたり、関節が固くなっちゃうんですよ。
理学療法の目的は痛みを取るだけではなく、
このような痛みに伴う症状を和らげ、日常生活での
QOL（生活の質）を維持することです。
具体的には
□温熱療法
ホットパックなので組織を温めて血管を広げ、
痛みを伝える物質を除去することを目的としています。
□電気刺激療法
低周波の電気刺激により、痛みを伝える神経の働きを抑えます。
□運動療法
筋力増強訓練やストレッチなどで、身体機能の維持をはかります。
理学療法は、主にリハビリテーション科の医師や
理学療法士などの指導によって行われます。
症状を見ながら、いくつかの療法を組み合わせて進められます。
４、神経ブロック療法
「神経ブロック療法」というのは、神経や神経の周辺に
局所麻酔薬を注射して、痛みをなくす方法です。
麻酔薬が神経に作用し、痛みの刺激が神経を伝わるのを
ブロックすることで、痛みを取り除きます。
痛みが緩和されることで血流が良くなり、
筋肉のこわばりもなくなります。
一回で痛みが完治するものではないので、
薬物療法と併せて複数回実施するのが一般的です。
神経根ブロックとか硬膜外ブロックとか
いくつか種類があるんですけど、覚えなくて良いですよ。
５、手術
薬物療法や神経ブロック療法、その他の治療法で
あまり効果が期待できない場合に行われます。
最後の手段ですね。
手術療法には、神経を圧迫している原因
（腫瘍やヘルニアなど）を取り除く方法と、
痛みを発信している神経そのものを壊す方法があり、
症状に応じて慎重に決められます。
排尿・排便障害や強い麻痺が見られ、ほとんど歩くことが
できないなど、日常生活に大きな影響が出ていて、
保存療法では改善の見込みがない場合は
すぐに手術が行われる場合もあります。
保存療法と薬物療法を約3ヶ月続けても改善しない場合も
手術が検討されます。
その他、脊髄（脳）刺激療法、電気鍼治療、
レーザー治療、、イオントフォレーシスなどの治療もあります。
というわけで、本日は「坐骨神経痛の治療」についてでした。
いつものように、下にまとめを書いておきますね。
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【今日のまとめ】
●坐骨神経痛の治療
１、日常生活の指導
２、薬物療法
３、理学療法（リハビリテーション）
４、神経ブロック療法
５、手術
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【編集後記】
坐骨神経痛の治療は、まずは日常生活の改善です。
そいで、痛み止めを使ってもダメなら、
リハビリ、ブロック注射などの治療も追加します。
手術というのは、他ではどうしてもダメな時だけ、
本当に最終手段ですね。
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腰痛がひどくなる時はあるんですよ。
基本的に整形の痛みってのは、
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