=外へ仕掛けに行く意味= 神戸の商店街を訪問して以後、積極的に東京や県外の販売会やイベントに出展するようになった清水さん。「東京の販売会で売れる50個や100個と言う数量は、大手流通への売上げに比べれば僅かです。でも、それ以上に得るものは大きい」と断言します。「東北の味付けは塩気が強いので、もっと薄味が良いんじゃないの」という声や、「1人用の小分けパックが欲しい」といった要望など、お客さんとの対話で耳に入って来た言葉が、商品改良や新商品の開発に役立っています。また、Facebookを活用して積極的にお客さんと交流する事で、リピーター率が向上しました。翌月の販売会に、わざわざ友人を連れて足を運んでくれるお客さんもいるそうです。
=地域ブランドの発信とこれから= 最近、県外の販売会に足を運んでいると、「マルトヨ食品の清水さん」と言うよりも「気仙沼の清水さん」と呼ばれる事が多いと気づいたそうです。「地域ブランドの発信と言うと難しいマーケティングの話に聞こえるが、実際はもっと身近なものだった」と感じています。自分たちが作る商品や会社が、すべて"気仙沼の"という言葉と共に語られていることを知り、単に自社商品を売っているのではなく、気仙沼の看板を背負って商売している意識が芽生えたと言います。「気仙沼で連想される食のイメージは何か?」「この商品を届けたいお客さんは、どんな生活スタイルなのか」。お客さんと近づいた事により見えて来たテーマが、商品開発の原動力となっています。 「結局は、地元の食文化に根ざしたおいしいものを作って、一人でも多くの人に届ける工夫をするしかないんですね」と笑顔で商品の"さんまくん"を手に取った清水さん。「将来、何年後かに振り返った時に悔いが残らないように、思った事は何でも挑戦してみる。上手く行かなかっても、不思議と必ず新しい道が出てくるんですよ」(岸田浩和) | |
| さんまの薫製の製造風景 | |
| お客さんからのフィードバックを活かした、新商品の開発にも力を入れている | |
| 総理大臣賞を受賞したさんまの薫製「さんまくん」を、パスタにアレンジ。芳ばしい風味とさっぱりした味わいが、食欲をかき立てる。 | | |
0 件のコメント:
コメントを投稿