2014年9月11日木曜日

英語この81文で何でも話せる、聞ける!?/世界一危険なUFOキャチャー!?東日本崩壊を恐れたわけは?原発特集【ちょい見せまぐ!】

2014/09/11 ※サイトで読む 配信中止はこちらから
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今回のちょい見せ LINEUP!
 ≫ 『吉田所長はなぜ「東日本が崩壊する」と恐れたか?』 武田邦彦
 ≫ 『意外に低い核燃料プールの安全マージン』 中島聡
ちょい見せ! その1
 
ちょい見せ! その1
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【吉田所長はなぜ「東日本が崩壊する」と恐れたか?】
 
  2011年3月11日、福島第一原発の一号機が爆発し、さらに二号機、三号機と爆発が続くのではないかという緊迫した情勢のなか、東京の内閣府も東電本社も、今まで考えたこともないようなことが次々と起こり、右往左往していた。

 原発が地震に弱いことはよくわかっていて、それだからこそ2006年に原子力安全委員会は、「想定外の事故が起こったら、付近住民は著しい被爆をする」という文書まで出していた。しかし、爆発を想定する研究や、原発での事故訓練、付近住民の退避訓練などを行えば、「原発は絶対安全」から「原発は事故が起こる可能性がある」と政府方針を変えなければならず、そんなことは起こらないと楽観的に思わなければ運転を続けられなかった。

 もっともこの問題は、爆発が起こったときの想定が難しいばかりではなく、その影響範囲を特定することも困難であるのだが、だからといって何も対策をしていなかったので、ただただ右往左往するしかなかったのであった。

 多くの人は広島での原爆投下について、10万人近くの人が一瞬のうちに亡くなった凄まじい出来事だった記憶しているが、そのいっぽうで原発事故は、原爆と比べて規模が小さいものだと思っているフシがある。

 実は広島型の原爆はウランの量が数十キロなのに対し、原発に入れる燃料のウランは100万キロワット級でおよそ100トン、つまり4基で約400トンである。燃料中で爆発性のものはウラン235で、原爆が90%、発電用ウランが4%程度だから、単純に計算してみても、広島型原爆が40キロのウランを使ったとして、40×0.9=36キロ。対する福島原発は400トン×0.04=16トン=16000キロとなり、ウランの量としては400倍を越える。

 その他に原発ではプルトニウムなども使うので、おおよそ「発電所の危険性は原爆の数100倍」と考えて良い。そのことが吉田所長の頭をよぎったので、「東日本が崩壊する」と恐れたのだ。実際には西から風が吹いていたので、大半が太平洋に出たが、福島原発から大気に出た放射性物質だけで、100京ベクレル程度と言われている。

 日本は37万平方キロメートルの面積を持つが、放射性物質が流れるとすると、その10分の1ぐらいの範囲に拡散すると想定される(東日本で山脈の東側)。そうすると、100京ベクレルを3.7万平方キロメートルで割ることになるので、1平方メートルあたり300万ベクレル程度になる。

 土壌の汚染と被曝量の関係から、その被曝量は1年に約90ミリシーベルトに相当する。したがって、その場所に10年ほど住んでいると、約1シーベルトの被曝を受けることになり、この地域で1年に約74000人の方が「致命的発がんか重篤な遺伝性疾患」になる。

 この数は通常の自然死に相当する数なので、よって死亡率が2倍になり、しかも年齢によらずに死んだりするという危険を生じることになる。吉田所長が危惧した「東日本が崩壊する」というのは、このことだったのだ。

 原子力発電というものは、そこで使う核物質が原子爆弾より格段に多い。爆弾のように瞬時に大量の人を殺すための設計がされていないだけで、ひとたび事故が起これば、その影響は広島原爆の数100倍におよび、また広島原爆では広島市とその周辺だけだったが、福島で原発事故が起きた場合は、東日本全体を心配しなければならないことが分かる。

 原発再開論議が続いているが、原発の安全性が確保できるのは、「事故が起こったとき、原爆の数100倍の放射性物質が出ること」「そのことがチェルノブイリと福島で2回起こったこと」をそのまま認識する勇気を持つこと、そしてその時にどうすれば良いかについての合意が得られてこそ、というのは言うまでもないことだ。
 
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ちょい見せ! その2
週刊 Life is beautiful
 
今週のざっくばらん
【意外に低い核燃料プールの安全マージン】
 
  先日、福島第一原発の3号機の瓦礫(がれき)の撤去作業中に、誤って200kgもの金属片を燃料プールの中の使用済み核燃料の上に落としてしまった、というニュースが報じられました。マスコミは例によって、東電からの「周囲の放射線量が増えたりはしていない」という発表をそのまま報じているだけですが、実際にはかなり危険な話です。

 日本で使われている原子炉は、沸騰水型も加圧水型も水を減速材として使用しています。ウランの核分裂によって生じた中性子は、そのままではスピードが早すぎるので、(その中性子に当たった別のウランがさらに核分裂を起こして中性子を放出するという)連鎖反応を起こすことが出来ません。そこで、燃料棒と燃料棒の間に適切な量の水を置くことにより、中性子を減速し、連鎖反応を起こして臨界状態を作り出して発電しているのです。

 使用済み核燃料は原子炉から隣接された燃料プールのラックに保管してしばらく冷やす必要がありますが、そこから放出される放射線から作業員を守るために、燃料プールには水が満たしてあります。この場合の水は、減速材としてではなく、放射線の遮蔽材としての役割を果たしているのです。

 しかし、ラックに並べられた燃料棒の間にも水があります。なぜこの水が減速材として作用して、臨界状態を起こしてしまわないのでしょう?

 その答えは、燃料棒の間隔にあります。原子炉の中では、臨界を起こすようにちょうど良い量の水が燃料棒と燃料棒の間に存在するように配置されていますが、燃料プールの中では、臨界を起こさないように、間隔を広げたり、中性子を吸収するホウ素を水に混ぜたりしているのです。

 米国のNRCは、燃料プールの設計指針として、安全マージンを5%設ける様に規定しています。つまり、何らかの原因で、燃料プールの中の燃料棒の間隔が5%縮まってしまったとしても臨界状態に陥らないように設計しろ、という規定です。5%というと、何だか不安になる数字ですが、金属で作られたラックは頑丈に作られており、外から大きな力をかけない限りは変形などしないので、5%のマージンで十分だ、という発想です。ただし、錆や燃料棒との衝突による変形が臨界を起こすケースもあるので、綿密な点検を怠らないようにと厳しく指導しています。

 日本の原子力安全規定も、当初は安全マージンを米国と同じ5%にしていました。しかし、各地の燃料プールが一杯になり、かつ、六ヶ所村の再処理施設もトラブル続きなことから、使用済み核燃料の置き場所に困った電力会社が悲鳴を上げたため、安全マージンを3%に緩和してしまいました。安全マージンを3%に引き下げれば、同じ大きさの燃料プールにより多くの使用済み核燃料を詰め込めるようになるからです(引き下げられた安全マージンに従って、より多くの使用済み燃料を詰め込むことをリラッキングと呼びます)。

 福島第一のプールでリラッキングが行われていたかどうかは不明ですが、安全マージンは3〜5%しかないのです。今回のように瓦礫を上から落とすことにより、ラックが変形し、燃料棒どうしの間隔がわずか数%縮むと、水がちょうど良い減速材として働いて臨界状態に陥るという再臨界事故を起こしても不思議ではありません。

 燃料プールからの瓦礫の撤去が、「世界一危険なUFOキャチャー」と呼ばれるのかこれが理由です。本当に東電に任せておいて良いのか、汚染水の処理も含めて、一旦、東電を解体する形で廃炉処理を政府が引き継ぐ、というのが正しい形に私には思えます。
 
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【ちょい見せまぐ!】 2014/09/11号(毎週火・木曜日発行)
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