どこが好ましいのか。日経平均の短期トレンドを示す25日移動平均線は15,397円。先週末の日経平均は一瞬それを割り込み15,424円で引けました。
つまり目先の下値支持線まで下げ、わずかに反発して終わった。こうなったことになり、チャート上は下落が止まり、横ばい、もしくは上向く確率が高い状況となっています。
もちろんチャートは絶対ではないため、もうここからは下がらないとは言い切れないものの(地政学リスクが拡大すれば下げます)、ひとまず安心できるゾーンにあります。
ただ9月という月は、東京市場にとっては昔から鬼門です。1年のうち、9月がもっとも上がりにくい月だからです。
戦後東京市場が再開されてからの9月相場のデータを見ても、 上昇28回、下落37回となっていて、圧倒的に下落確率が高くなっています。
2位が5月で、上昇32回、下落34回ですから、9月の厳しさが分かります。
ちなみに上昇回数が多いのは1月や6月でともに44回であり、9月とは大変な差があることになります。
こんなデータを紹介すると、それでは今月は株が上がらないということなのか。こういうことになってしまうかもしれませんが、以上はあくまでも市場全体について。個々の銘柄については別なので、特に案じることはありません。
それにこのような9月相場を別の角度から見ると、意外な利点が見えてきます。9月相場は来月から始まる10〜12月の秋相場、年末相場の起点になるのです。この点で投資環境の軟化や悪化があるとしても、それを悲観的に見ないようにしたいものです。
東京市場がこんな状況なのに対して、幸いなことに米国市場は堅調極まりない動きになっています。先週も最も米国市場の実体を現しているS&Pが週末2,003ポイントに達し、史上最高値になりました。
ウクライナを巡る欧米とロシアの対立をはじめ、地政学リスクがなかなか去らないのに、米国市場全体は史上最高値をつけているということになります。なんとも羨ましく、そしてこんなに上がって大丈夫なんだろうかと少々心配にもなる上昇ぶりなのですが、このような動きは東京市場にとってはプラス要因。早速今日の日経平均は反発が見込めます。
背景にあるのは、ウクライナへのロシア軍侵入問題が、いまのところ拡大するようではないからです。1,000人規模のロシア軍部隊がウクライナ領内に侵入したとのことでしたが、9月1日には欧州安保協力機構(OSCE)の代表とウクライナのクチマ元大統領、ロシアのズラボフ駐ウクライナ大使で構成する「連絡グループ」の会合が開かれることになっています。そこで打開策が探られる見通しで、市場はそれに期待しているといえます。
とはいうものの、ウクライナ問題は今年になって小康状態、エスカレートという形を繰り返しながら現在に至っています。とてもすぐに解決するようなことではないと見ておかざるを得ず、今月も時々東京市場の足を引っ張る。こう認識した上で目先は反発が見込める。
こうなりますので、引き続き慎重姿勢と警戒を怠らないようにしながら、個別株の押し目を狙っていく。この基本策を忘れないようにしたいところです。
なお先週末の米国市場は、NYダウ18.88ドル高、NASDAQ22.58ポイント高でした。為替は対ドルで円が104円すれすれに下落して、いずれも好ましい数字になってくれました。
ここは前述したような材料に支えられ、多くの銘柄が反発する確率が高く、月はじめとしては好スタートになりそうです。 |
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