池上さんの顔写真が先々週水曜日の朝日新聞以外の社会面に掲載されました。「池上さんが不祥事起こしたか?チャンス!!」と思って読んだら、全然違うでした。ホントは前日から知ってましたけどね。池上さんが連載を持っている週刊糞文春の担当編集者に愚痴った話が、糞文春のネットニュースで伝えられ、これを見た各紙が本人に当たって、事実関係の裏が取れたんで社会面に掲載したのが記事化の流れです。 ちょっと意外だったのが、朝日批判の急先鋒の産経新聞が第三社会面という地味な扱いにして、読売と毎日が第二社会面という花形ページで伝えたことです。朝日の従軍慰安婦捏造騒動の時には毎日新聞はほとんど扱わなかったんですが、ここへきて、例の福島第一原発事故の吉田調書について、朝日の報道を真正面から否定する記事を書いたりし始めていますから、もしかすると毎日新聞は、朝日に見切りをつけた左派系の読者獲得に乗り出したのかもしれません。特に今回毎日新聞だけが、池上さんが朝日に拒否された原稿の中身について、「『朝日は謝罪すべきだ』との趣旨を書いていた。」と明記していたのが目を引きます。読売・産経は、池上さんが朝日の連載中止を申し出た理由として、「従軍慰安婦問題に関して池上さんが朝日に出した原稿について、朝日が掲載を拒否した」とは、書いてありましたが、原稿の中身については、池上氏から聞いた話として「具体的な内容については言えないが、私自身は朝日新聞の検証を不十分だと考えており、そうした内容も含まれていた」(産経)と、あいまいな書き方になっています。ちなみに、9月3日の各紙の大報道に驚いたのか、それとも、流石に社内で問題視されたのか理由は分かりませんが、朝日はあっさりと白旗を上げて、翌9月4日の朝刊で渦中の池上コラムを全文掲載し、早期の幕引きを図りました。この日の他紙朝刊は、日経に至るまで一連の顛末を報道しています。朝日も初めから黙って掲載しておけば、逆に「さすが」って褒める人がいたかもしれないのに、完全に判断が逆目に嵌まっています。 ところで私、問題の「従軍慰安婦虚報騒動」について朝日新聞の対応が本当に不誠実だと思うのは、今に至るも読者の反応の全容を明らかにしていない点です。これが他社の不祥事なら、「この件について○件の意見が寄せられていて、そのうち○割が批判的な意見だった」って書きますよね。企業不祥事に際して、それを受けての市民の反応というのは、取材の一つのキモですからね。今回朝日を注意深く読んでいたら、8月30日の「声」欄で初めて読者の意見を取り上げてましたが、朝日の論調に同意する人と、更なる検証を求める人とを一人ずつ並べてお茶を濁しました。朝日の読者を含めて一般市民が知りたいのは、今回の不祥事に対して読者がどう反応しているかです。一体何件の本当の「声」が寄せられ、その中身がどうなのか、朝日は報道する責任があります。 だってそうでしょう?今後、例えば食品会社の不祥事があって、朝日の記者が「それで、お客さんから何件くらいクレームがあったんですか?」って聞いても、「貴社は従軍慰安婦の虚報で一体どのくらいクレームがあったんですか?」って突っ込まれますよ。この状態を放置するって、報道機関としては自殺行為でしょう。 今回の池上さんの連載拒否がニュースになったのは、それが社会的注目を集める「従軍慰安婦騒動」ネタだったからですが、そうであったにしても、一ジャーナリストの執筆中止が他紙でニュースになるなんてスゴイですよね。私が、週刊朝日の連載を休止しても、「そこまで言って委員会」を引退しても全くニュースになりませんでしたからね(笑)。 ちなみに来年4月に思い切って色んなことの整理をしようと考えていますから、そのタイミングで、週刊朝日復帰の気持ちは十分あります。でも、これだけ「メルマガ」や「FLASH」で朝日の批判を繰り返していたら、さすがに復帰は言ってこないだろうなあ。 |
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