とんでもない数字とは、7.4万人増。これです。
これがなぜとんでもない数字か。市場予想は20万人増だったからです。前の月(11月)が20.3万人増、その前(10月)が20.4万人増だったため、12月もそれくらいは増えるだろう。専門家のほとんどがこう考えたのでした。
私は少し減って18万人増程度もあり得るという見方でしたが、実際に発表された数字は前述したように7.4万人増。この数字を見た瞬間、正直17.4万人の「1」がなにかの間違いで欠けてしまったんだろう。こう思いました。
もちろんそうではなく、実際に7.4万人増だったのです。11月の20.3万人増が24.1万人増に上方修正され、この点は好ましかったものの、それにしても12月の7.4万人増はまったく予想外でした。
なぜこんなにも増加ペースが落ちたのか。建設やサービス部門の雇用が伸びなかった。こういうことになるのですが、考えられるのは、年末商戦に合わせて11月に目一杯雇用を増やしたため、12月はさほど増えなかった。こうなります。毎月どんどん増えるというわけにもいかないともいえます。
ところがこの相場は、雇用の改善を前提として動いています。
雇用改善⇒米国経済の復活⇒量的金融緩和の縮小⇒ドル高⇒円安⇒日経平均高
こうなりますので、予想であった20万人増に届かないどころか、その3分の1程度にしかならないとなると、量的金融緩和のペースが鈍り、ドルは買われにくくて軟調に推移、逆に円は上昇、日経平均は上れない。こんなことから、週明けは残念ながら厳しい展開になり得ませんでした。
なにしろ13日の米国市場もNYダウ 179.11ドル安、NASDAQ 61.36ポイント安。ともに大幅安となってしまいました。米景気の先行きに対して悲観的な見方が台頭、売り優勢となってしまったのです。これでは今日の東京市場もお付き合いしてしまうでしょう。つまりまたまた売られてしまう。こうなる確率が非常に高くなります。
それに円は103円前後に上昇しています(一時102円台もありました)。先週末からは1円以上の上昇。これでは日経平均は下げるしかないといえるほどです。もちろん株式市場のことですから、予想を裏切り上昇することもないこともありませんが、その確率は極めて小さいといえます。
ただここで大事なのは、目先は確かに雇用統計の影響甚大となるものの、この数字は期待された20万人増ではなかったものの、マイナスに転じたわけではないことです。雇用増のペースが少し落ちた。こうなのですから米国経済が失速するなどとは考えない方がよいといえます。そして量的金融緩和の縮小も続けられ、ドル買いも続く。これが基本的な流れであり、目先の反落は一時的。こうなる確率が高いといえます。
市場とは想定外なことが起きると、当然異常なほど極端な反応になります。しかしその後は次第に冷静さを取り戻し、普通の動きに戻るのです。週明けの急落という極端な動きを避けられないでしょうが、数日内に立ち直るでしょう。それゆえ悲観的にならないようにしたい局面です。 |
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