車が駐車場の出口を出た時。 その時、運転している足立さんの視線と、女の視線が、一瞬合った。 するとその女がうれしそうに、ニタッ、と笑ったんです。 気持ち悪いな、と思いながらも足立さんはそのまま車を走らせていったんです。 この駐車場は、真っ直ぐ走っていった場合、そのままでは出口のある方向へ右折ができない構造なんです。 一方通行になっているから、グラウンドをグルーッ、と外に大きく回って、太い大通りにでる構造なんです。 だから足立さんの車は大回りするようにして走って、大通りに向かう信号の所で停まったんです。 すると助手席のAさんが、 「ううゎ!」 と、びっくりした。 見るとあの女が、信号の横に立っていた。 Aさんが 「おい、おかしくないか?」 「こっちは車で走ってるんだぜ。」 「あの女、どうやってここに先回りして来たんだよ?」 構造的には、駐車場から信号のある道に来るには、グラウンドを大回りするしかないんです。 一番の近道だって、グラウンドの中を突っ走って来るしかない。 それでもこんなに早く着くわけはないんです─ |
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