2011年12月2日金曜日

「やぶ医師のひとりごと」 ニキビの治療

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 ◆  やぶ医師のひとりごと    第 307 号  ◆
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   2011年12月2日発行 購読者数 9419名
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 HP:「病気の症状と予防」
    http://www.yabuishi.com/


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  <本日のテーマ> ニキビの治療
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皆さん、こんにちは。

今回から購読して頂いた方、はじめまして。

循環器内科医のDr. Iです。

 ○お肌が気になる人は!
  http://tinyurl.com/882pksl

このメルマガで、今はニキビをやっていますけど、

女性なら誰でも、お肌は気になりますよね。

もちろん、男性も少しくらいは気にします。

最近っていうか、もう結構前からの話ですけど、

「プロアクティブ」っていうのが、流行っているようですね。

私はあまり詳しくないんですが、

ニキビにも使えるし、ニキビの予防にもなるようですので、

興味ある人は、見てみてね!

 ○「プロアクティブ」
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今日も、元気を出して行きますよ〜♪

先週からは新しい病気「ニキビ」についてでしたね。

まずは、先週までの復習。

 ●ニキビとは

  ○思春期以降に顔にできるもので、病気の一種。

  ○ニキビは「毛穴の出口」が皮脂や汗でふさがり、

   詰まって炎症が出来て起こる。

  ○それが顔に出来ると「ニキビ」。

   顔以外に出来ると「吹き出物」と呼ばれる。

  ○「おでき」は「毛穴の奥の方」に細菌が入り、

   そこで炎症を起こすもの。

  ○ニキビの基本的な治療は洗顔。

  ○悪化した場合は皮膚科に行って治療する。


 ●ニキビの原因

  ○毛穴の出口が皮脂などで詰まって、

   炎症が起きるのがニキビ。

  ○テストステロンという男性ホルモンが多いと、

   皮脂が多くなり、ニキビが多くなる。

  ○思春期には、このテストステロンが多く分泌される。

  ○皮膚の古い角質(垢)が毛穴に詰まると、

   ニキビの原因となる。

  ○皮膚の常在菌である「アクネ菌」が多いと

   ニキビが出来やすいので、洗顔が大事。

  ○洗顔フォーム等の洗い残しが毛穴に残ると、

   毛穴が詰まる原因になり、ニキビが出来やすくなる。


 ●ニキビの種類

  ○炎症を起こす前のニキビ

   ▲微小面ぽう

   ▲面ぽう

    □白ニキビ

    □黒ニキビ


  ○炎症を起こしたニキビ

   ▲赤ニキビ

   ▲化膿(かのう)したニキビ

ニキビというのは、医学用語では

「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という名前で、

立派な病気の一種です。

「ニキビ」は、学生とか若者の顔にできやすくて、

ストレスとかホルモンが関係しています。

ニキビの原因は、毛穴の出口が皮脂などで詰まって、

炎症が起きるからです。

皮脂や垢(あか)は、思春期に多くでる男性ホルモンの

テストステロンが多いと出やすくなるんですよ。

だから、思春期にはニキビが多くなります。

それと、皮膚の常在菌である「アクネ菌」が多いと

ニキビが出来やすいので、洗顔が大事になります。

そいで、先週やった通り、ニキビにも種類があって。

炎症を起こす前の、微小面ぽうや白ニキビ、黒ニキビ。

それと、炎症を起こした後は、赤くなって赤ニキビになって、

化膿しちゃうニキビもあるよ、って話でしたね。

    ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

そいじゃあ、今週もニキビについて。

今日は「ニキビの治療」についてです。

いつもだったら、治療の前に「検査」について学ぶんですが。

「ニキビ」は、皮膚の表面にありますから、

皮膚科の医師が診れば診断できますから。

基本的には、「ニキビの検査」というのはありません。

ただし、炎症が酷い場合、どこまで炎症反応が広がっているのか、

というような事を調べるために、血液検査をする事もあります。

もちろん、いつからどこに、どういう風に出来たのか、

とか、食生活等の生活習慣を聞く「問診」

というのは行いますよ。

そんな訳で、本日は「ニキビの治療」についてです。

 ●ニキビの治療

先週書いた通り、ニキビにも初期のものから、

炎症が進んで重症になったものまで、いくつか種類があって。

それぞれについて、治療が違うんですよ。

今回も、それに沿って説明していきますね。

  ○ニキビの初期(炎症を起こす前)の治療

ニキビも、初期の場合の治療は単純です。

一言で言うと「洗顔」ですわ。

ニキビが出来た部位を、一日に1−2回、

刺激の少ない石けんを使って洗います。

石けんの種類も、強ければ良いってものではなくて、

抗菌せっけんやスクラブ入り石鹸なんかで、

頻繁にごしごし洗うと、皮膚を刺激しすぎて、

むしろ逆効果ですから、気をつけて下さいね。

  □処方箋なしで買える薬

処方せんなしで市販されている

ニキビのクリームってのがあります。

サリチル酸やレゾルシノール、硫黄を含んでいるものですが。

まあ、中身はどうでも良いですわ。

ニキビに直接塗ることで、毛穴につまった角質をはがし、

開きやすくする作用があります。

初期の炎症のないニキビには効果があります。

もちろん、医師から出される薬よりは、効果は弱いですよ。

  ○炎症を起こした後のニキビの治療

   ▲軽症のニキビの場合

炎症を起こした後のニキビでも、炎症が軽いニキビの場合は、

皮膚に塗る、局所用の薬を使います。

  □抗菌薬(塗り薬)

抗菌薬には塗り薬と飲み薬があるんですが、

軽症の場合は基本的に塗り薬の方を使います。

細菌を殺して炎症を抑える作用がありますので、

炎症を起こしたニキビに使われます。

逆に言うと、炎症のない、初期のニキビには効果がないし、

使う事もありません。

  □新しいニキビの塗り薬(外用レチノイド)

比較的最近、日本でも使えるようになった、

新しいニキビの塗り薬、っていうのもあります。

「ディフェリンゲル0.1%(一般名:アダパレン)」

っていう名前なんですが。

まあ、名前はどうでも良いですわ。

この薬が、「ニキビ治療の世界標準」と言われている薬で、

2008年7月から、やっと日本でも保険適応になりました。

その後は、3割負担とか1割負担で使えるようになっています。

この薬はとても優れた薬で、ニキビの初期の段階から、

炎症反応が進んだ、赤ニキビまで治療する事ができるんですよ。

  ▲重症のニキビの場合

   □抗菌薬(内服)

抗菌薬の塗り薬や、新しい塗り薬(外用レチノイド)に

加えて、抗菌薬の飲み薬も追加します。

ニキビの再発(また出来る事)を防ぐために、

数週間から数か月、場合によっては何年も、

この薬を飲み続ける場合もあります。

  ○その他の治療

ニキビの治療は、軽症の場合は洗顔のみ。

少し進んでも、塗り薬で、っていうのが基本です。

それに加えて、ビタミン剤の飲み薬を使う場合もあります。

具体的には、皮膚の新陳代謝を促す、ビタミンB2、

皮膚の抵抗力を高める、ビタミンB6、

それに、色素沈着などを防ぐ、ビタミンC、です。

  ○ニキビ跡の治療

ニキビ跡が酷くて、見た目がすごく気になる、

という人は、それに対しての治療を行う事になります。

上の方に書いた治療は、保険が効くのですが。

ニキビが出来て、跡になっちゃった、という人で、

それがすごく気になる場合は、

保険外診療の治療を行う事になります。

  ▲ケミカルピーリング

肌にフルーツ酸などの薬を塗る事によって、

肌の表面の古い皮膚をはがして細胞に刺激を与え、

肌の新陳代謝を促進し、新しい皮膚への再生を促す治療です。

  ▲レーザー治療

ニキビ跡にレーザーを当てて、赤みや色素沈着、

それに皮膚のデコボコを取る治療です。

いろんな種類があるようですが、細かい事は省きます。

  ▲イオン導入

皮膚に弱い電流を流して、電気の力で美容成分をお肌の

深い所に送り込むスキンケア方法です。

主にエステサロンなんかで行われているようです。

そんな感じで、ニキビ跡の治療に関しては、

保険外のものも、いくつかありますけど。

値段は、一回につき5000円から1万円位はかかるようです。

もちろん、ニキビ跡が大きい人とか深い人は、

もっと値段も高くなりますよね、当然。

それが、1−2週間に1回とかのペースで5回とか、

そのくらいの頻度で治療を行います。

いきなり、怪しいエステに行ってニキビの治療を行う、

っていうのは、お勧めできませんので。

まずは皮膚科に行って、きちんと保険内の治療をして。

それでもニキビ跡が残って気になるようなら、皮膚科の先生と

相談して、そこで保険外の診療を行うとか。

信頼できる所を紹介してもらった方が良いですよ!

そんな訳で、本日は「ニキビの治療」についてでした。

そいじゃあ、今日はここまで。

いつものように、下にまとめを書いておきまーす。

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【今日のまとめ】

 ●ニキビの治療

  ○ニキビの初期(炎症を起こす前)の治療

   □洗顔

   □処方箋なしで買える薬

    市販のニキビ用のクリーム。


  ○炎症を起こした後のニキビの治療

   ▲軽症のニキビの場合

    □抗菌薬の塗り薬

    □新しいニキビの塗り薬(外用レチノイド)


   ▲重症のニキビの場合

    □抗菌薬の塗り薬や、外用レチノイドに加えて、

     抗菌薬の飲み薬も追加する。


  ○その他の治療

   ビタミン剤の内服。

  ○ニキビ跡の治療(保険外の治療)

   ▲ケミカルピーリング

   ▲レーザー治療

   ▲イオン導入
 


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【編集後記】

ニキビの跡は、特に女性の場合は気になりますよね。

今日書いたように、いろんな治療がありますけど、

ニキビは病気ですから。

プロの皮膚科の先生に診てもらって、

それからどういう治療をするか決めた方が良いですよ。

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寒いですね、最近。

もう、服なんかも、完全に冬用にしました。

一応、節電のために、暖房は出来るだけ控えているんですが。

そうすると、やっぱ寒いですね。

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