夏の甲子園は組み合わせも決定し、9日にいよいよ開幕。今年も熱戦が繰り広げられることでしょう。 主役はもちろん選手たちですが、彼らが活躍するのに欠かせないのが監督。精神的にも技術的にも未完成の高校生という時期だけに、監督の役割は非常に大きいものです。そこで今回は、注目の監督を紹介します。 まずは日本高校野球界の"名将"、明徳義塾(高知)の馬淵史郎氏。1990年に同校の監督に就任し、今回で春夏通じ26回の甲子園出場、通算44勝と今夏出場する監督の中では一番の勝利数を上げています。 1992年夏の松井秀喜氏への「5連続敬遠」をはじめ、常に勝ちに行く"非情"な采配を執る、ヒールとしてのイメージが先行していますが、2002年夏に初の全国制覇を成し遂げた際には目に涙が……。そんな情に厚い一面も見ることできました。 データを基に試合の流れを読み、戦況に応じた戦術を執るスタイルで勝星を積み上げてきましたが、注目なのは選手交代や戦術がうまくいかなかった際の残念そうな顔。「あちゃー」といった表情、しぐさは正直かわいいですよ(笑)。 次に、今や知名度ではNO.1となった大阪桐蔭(大阪)の西谷浩一氏。阪神の西岡剛内野手や藤浪晋太郎投手など多くの有名選手を輩出、西岡内野手の在学中には早朝5時からの練習に3年間付き合ったという、育成に定評があり、かつとてもハートフルな監督なのです。 西谷氏の特徴は前述のエピソードからもわかるように、選手との距離が近いこと。高校野球の監督と選手は師弟関係と同様の厳しい関係性であることが一般的ですが、同校のベンチでは監督と選手が笑顔で会話している姿が多く見られます。そのためか、選手たちはのびのびとプレーし実力をフルに発揮しているように見受けられ、これがここ数年の好成績につながっているのではないでしょうか。というわけで同校の試合は、グラウンドだけでなく、ベンチにも注目してみてください。 最後に、昨夏の優勝校である前橋育英を破って甲子園へ乗り込んでくる健大高崎(群馬)の青柳博文氏。『Be together』という校歌でも有名な同校ですが、「機動破壊」を掲げて高校野球では珍しく"走塁"に重点を置き、2012春にベスト4へ導いた手腕は確か。 盗塁のチャンスを逃さないためか、試合中の青柳氏の眼光鋭い視線は見ていてカッコイイ。常にベンチの最前線に立っている彼の視線には注目ですよ。 この他にも、春夏連覇を狙う龍谷大平安(京都)の原田英彦氏や、齢72歳の日本文理(新潟)の大井道夫氏、元東邦(愛知)で「鬼の阪口」と呼ばれ、今では「仏の阪口」と呼ばれるようになった大垣日大(岐阜)の阪口慶三氏などの名監督がチームを率いて甲子園に乗り込んできます。今大会は、白熱した真夏のドラマのタクトを振る監督たちにも注目してみてはいかがですか。 |
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