しんコロ ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。 | 「体力」も「抵抗力」も「免疫力」も、どれも医学的な用語ではなく、概念だと思います。 「体力」は一番広義で、スポーツのスタミナや筋力から、日常生活でのタフさ、病気をしない強さまで含むと思います。「抵抗力」は広い意味で病気にならない体の能力で、そして「免疫力」は感染症やがんなどに対して体が戦う力のことを意味すると思います。関係性は「体力」>「抵抗力」>「免疫力」の順で意味が広いという、言葉上の概念であると思います。 さて、「免疫力」という言葉はよく使われますが、医学的にそれを定義しろとなるとなかなか難しいのです。というのも、免疫はその力が強いか弱いかで表せるほど単純なシステムではないからです。むしろ、微妙なバランスの上に成り立っているのが免疫で、そのバランスが崩れると様々な病気が出てくるのです。 たとえば、1型糖尿病、リウマチ、アレルギーなどは、免疫が過剰に反応している状態で、言ってみれば「免疫力が高い」状態なのです。免疫は諸刃の剣でもあって、強すぎても弱すぎてもいけないのです。 数ある免疫反応の種類の中でもそれぞれが適度な強さで反応して健康が保たれています。そして、免疫のバランスをうまく保つためには健康的な生活スタイルが重要という、極めておもしろくない回答になってしまいます。 もし「これを食べれば120%免疫力アップ!で病気にならない!」という回答だと面白くはありますが、なかなか免疫はそんなにシンプルではありません。 |
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