高城 剛 コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。 ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。 毎週お届けする『高城未来研究所「Future Report」』では、今後世界はどのように変わっていくのか、私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。 | 日本の伝統工芸のひとつである「金箔」は、金を10000分の1mmまで薄く伸ばす技術ですが、その技の肝は台紙=「紙」にあります。 最先端技術の粋を集めても、機械でここまで薄く伸ばす事は不可能で、「金箔」はいまも基本的に手作業で行い、その台紙となる「紙」は、このために一から作り出されているのです(これが「油取り紙」に発展します)。 ですので、金箔職人とは、台紙となる「紙」を作る事に長けた職人であり、各職人ごとに、自分の「紙」を持ち、そこから自分ならではの「金箔」を作り出しています。 良い「紙」には、不思議な魅力や魔力がありますね。ただ、「紙」から情報を得るだけでなく、「紙」をベースになにかを作り上げようとしたとき、その魅力はさらに大きくなると、金箔職人を見て思います。 僕がiPhoneやiPadを日々駆使しても、ポケットのなかには必ず名刺サイズのメモ用ポストイットとペンが入っているのは、紙の魅力や魔力をどこかで信じているからなんだと思います。 |
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