この問題は余りにも複雑であり、事象が進行するのを後追いで解釈していてはとても間に合いません。観察するサイドも、様々なレベルの仮説を持ちながら大きなバックグラウンドや、中長期のスパンでの時間感覚を持って見ていく必要があるように思います。 まず大局観として見ておきたいのは、この問題の本質は「カネ」だということです。 ウクライナは多額の債務を抱えており、国債デフォルトの寸前だという評価があります。例えば、今回の政変の前、ヤヌーコビッチ大統領がキエフから逃亡する前の時点では、政権が発表していた対外債務は「800億ドル(約8兆円)」でした。これだけでも大変な額であり、発表された時点で国債は格下げを食らっています。 ですが、政変後の2月27日に暫定政権が発表した対外債務額は「1400億ドル(14兆円)」と僅かな期間に大きく膨張しています。デモと流血の事態、あるいはロシア軍の侵攻で資金の引き上げがあったのかもしれませんが、短期間に6兆円ものキャッシュが動くはずもないわけで、双方の数字はどちらも精度が低そうだということしか言えません。 そうは言っても、1400億ドルというのは巨大です。イザ破綻したらIMF(国際通貨基金)が管理下に置くとしても、IMFだけでは支えきれません─ |
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