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新聞記者を辞めて独立した佐々木俊尚さんが言っていたと思うんですが、ブログというのは講演会で、ツイッターというのは立食パーティーの立ち話みたいなものなんですよね。 紙の本は、読者はお金を払ってかなりの時間を読むのに使うわけだから、やっぱり中身が大切だと思うんです。著者より中身。自分の仕事や生活に必要な知識が得られると思うから、その本を買うわけです。
そこで、メルマガというのは、コアな読者に向けた手紙なのかなっていう気がしてますけど、それだけじゃないような気もします。 ファンクラブという一面もあるけど、それだけでもない。紙の本のように、やっぱり実際に役立つ情報を求めている一面もあるし、ブログのコメント欄やツイッターみたいな著者や他の読者との議論という一面もある。Q&Aコーナーは読者に対するちょっとしたコンサルティングのように機能していたりもします。
正直言うと、まだ、メルマガを一言で表す言葉は僕の中では見つかっていないんですけど、既存のどのメディアとも違った、すごく濃いクローズドなコミュニケーション・スペースがそこにあるのは確かなんです。なんと表現していいのか。う〜ん。 |
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●では、その手紙のような、あるいは本のような、もしくはサロンのようなメルマガをどういったお気持ちで書かれているのですか? |
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ブログのほうは誰もが読めるものだし、アクセス数もちょっとしたメディア並になっています。ちょっと、かっこいいことを言わせてもらうと、僕はブログで社会をちょっとでも良くしたい、という気持ちで書いているのです。 本もそうですね。多くの人に、少しでも正しい知識を伝え、日本や世界の政治や経済に多少なりとも影響を与えたい、と思っています。『反原発の不都合な真実』(新潮社)は日本のエネルギー政策を正しい方向に戻すために書きました。最近では『外資系金融の終わり』(ダイヤモンド社)を、世界の金融システムが少しでも普通に毎日生活する人々のためになるようなものになってほしい、という強い希望を込めて書きました。
でも、メルマガは限られた人しか読まないから、その読んでくれている人だけが得をすればいい、購読者の方だけが幸せになってほしい、と願って書いているのです。そこが非常に大きな違いです。
たとえばトレーディングで言うと、すごくいい儲かる方法が見つかったとして、でもそれをみんながやったら儲からなくなりますよね。だからそういうことはブログには書けない。 でもメルマガは違います。僕のメルマガの読者だけが得をすればいいと思って書いているのが僕のメルマガなんですよ。儲かるトレーディング戦略と一緒で、美味しいレストランの席の数は限られていますし、ぶっちゃけた話、いい女の数もいい男の数も限られているわけで、僕のメルマガを読んでいる人たちに、ほんの少しでも競争優位を与えたいんです。ライバルを出し抜くね。 恋愛市場がゼロサムゲームだというのは、大衆向けのメディアで語られることはあまりありませんが、冷酷な現実ですからね。
だから、僕のメルマガを読んでいる人だけが幸せになるためにはどうすればいいか、ということを考えて書いているのです。 |
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●Q&Aコーナーもものすごく盛り上がっていますね。 |
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あそこまで盛り上がるというのは、僕にとってはちょっとしたサプライズでしたね。
僕のメルマガは要するに、恋愛とビジネス、もっといえば、セックスと金の話がテーマなんですが、恋愛の生々しい話があれだけの分量で毎週送られてくると、僕のメルマガはちょっとした生きたデータベースとして、現代社会で実際に起こっていることを理解する、とても貴重な資料になりうるのです。 もちろん、メルマガの書き手である僕も、読者も、そこに届けられる情報にはある種のバイアスがかかっている、ということには最大限の注意を払う必要があるわけですが。
もちろん、メルマガというのはコンサルティング・サービスという一面もあるので、僕は購読者からの相談は、なるべく多く、誠心誠意答えようとしています。
(次週に続く) |
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いかがでしたか? 次回も藤沢数希さんのインタビューをお届けします。 お楽しみに! |
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