2014年2月21日金曜日

「やぶ医師のひとりごと」 高尿酸血症、痛風とは

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 ◆  やぶ医師のひとりごと    第 418号  ◆
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   2014年2月21日発行 購読者数 8353名
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  <本日のテーマ> 高尿酸血症、痛風とは
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皆さん、こんにちは。

今回から購読して頂いた方、はじめまして。

循環器内科医のDr. Iです。



「脂質異常症」については前回で終了して、

今回からは新しい病気について勉強していきますよー。

今日から始める新しい病気は、

「高尿酸血症、痛風」です。



 ●高尿酸血症、痛風とは

皆さん、「高尿酸血症」って言葉、聞いたことありますか?

このメルマガを読んでいる方は、健康に興味のある人が

ほとんどですから、それなりに病気についての

知識がある方も多いんだと思います。

それでも、聞いたことのない人の方が多いかもしれませんね。



では、「痛風」って言葉は聞いた事ありますか?

「痛風」は聞いたことある人も多いんじゃないですか。

ちなみに、多くのパソコンは「つうふう」

という文字を入れると、最初に「通風」と変換されますが、

こっちじゃなくて「痛風」です。



風が当たっても痛いってのが語源らしいです。

ホントかウソか知りませんけど、そう言われています。



「高尿酸血症」という言葉は、聞いたことがなくても、

何となく意味はわかりますよね、漢字を見れば。

その名の通り、尿酸値が高い病気の事です。



いやー、日本語って便利ですねー。

じゃあ、尿酸ってなんなんでしょうか?

一言で言うと、尿酸というのは、古い細胞の残りかす。

エネルギーの燃えかすって事になります。



「尿酸」は、細胞の中にある「核酸」という遺伝子の成分が

分解されてできた、いわゆる古い細胞の残りかすなんです。

そいで、体の中のエネルギーのもととなっている

物質の燃えかすでもあるんです。



要するに、新陳代謝によって細胞が分解されたり、

エネルギーを使うと、体の中で尿酸が作られるんです。

また、尿酸の原料は食物(特に肉類)にも含まれていて、

こういう物を食べると、体の中で尿酸が作られます。



普通に生活をしていれば、使われるエネルギーの量というのは、

そんなに変わりませんからね。

だから、それによって尿酸が作られる量というのは、

基本的には毎日ほとんど一定なんですよ。



そいで、一定の量が主に尿から排泄されて、

バランスが取れています。



しかーし、そのバランスが崩れると、

尿酸値が高くなっちゃうんですよ。

尿酸の原料は食物(特に肉類)に含まれるんでしたよね。

これは「プリン体」って言います。



使うエネルギーの量が一定で、それによって作られる

尿酸の量が一定で、排泄の量も一定。

だとすると、沢山原料を摂りすぎると、

尿酸の値が上がってしまいます。



原料は、肉類等の食べ物に多く含まれます。

だから、たくさん美味しい物を食べる人が

この病気になりやすいんですよ。

昔は「ぜいたく病」と呼ばれていた位ですからね、

「痛風」という病気は。



じゃあ、どんくらい尿酸の値が高くなったら、

高尿酸血症という病気になるんでしょうか?



年齢、性別に関わらず、血清尿酸値が7.0mg/dL以上

になった状態を「高尿酸血症」と言います。

この状態がさらに進んで関節に炎症が起こって、

痛ーくなる病気が「痛風」です。



高尿酸血症→痛風になるんですが。

尿酸値がいくら以上になったら痛みが出て、

痛風になるって基準自体はありません。



尿酸の値が高くなればなるほど、痛みが出る(痛風発作)

確率は高いんですが、いくら以上とは言えません。



だから尿酸値が7以下でも痛みが出れば「痛風」って病気だし、

尿酸値が9でも、痛みがなければ痛風ではなくて、

ただの「高尿酸血症」という事になります。



どんな食事が多いとなりやすいかって具体的な食事とか、

どこが痛くなるのかって事は、次回以降にお話しますね。



というわけで、本日は「高尿酸血症、痛風」についてでした。

いつものように、下にまとめを書いておきまーす。



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【今日のまとめ】                            

 ●高尿酸血症とは

  古い細胞の残りかす「尿酸」の値が高くなる病気。

 ●高尿酸血症の診断

  年齢、性別に関わらず採血検査で、血清尿酸値が7.0mg/dL以上。

 ●「高尿酸血症」の状態がさらに進んで、

  関節に炎症が起こって、痛くなる病気が「痛風」。

 ●尿酸値がいくら以上になったら痛みが出て、

  痛風になるという基準自体はない。



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【編集後記】

本日からは新しい病気「高尿酸血症、痛風」についてでした。

この病気も、脂質異常症と同じ生活習慣病ですから、

食事とか運動などの、生活習慣が関係あるんですよ。

そこら辺の話に関しては、次回以降にお話ししていきますね。



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