現在、ウェブサイトのデザインやスマートフォンのデザインの主流は、フラットデザインと呼ばれるものです。フラットデザインとは、装飾性をできるだけ抑えたシンプルで平面的なデザインの総称で、簡単に言えば、単色・ベタ塗りでメリハリのある色使いをしたデザインを指します。 いったい、なぜフラットデザインが、WEBサイトやスマートフォンOSのベースとなるデザインになったのでしょうか?それは、「リッチな画像を引き立てるため」なんです。 素晴らしい絵画や美しい写真の額縁が華美であったら、せっかくの絵画や写真の魅力が半減してしまうものです。額縁は、出来る限り絵画や写真を引き立てる為にあり、華美であることは求められません。これは、WEBサイトやスマートフォンでも同じです。 ここ数年、インターネットを取り巻く環境は、写真と動画の比率が格段に増えました。その写真と動画を引き立てる為に、現代の額縁であるWEBサイトやスマートフォンOSのベースは、より簡素に、すなわちフラットデザインに向かったのです。 では、この現代的なフラットデザインの額縁にハマるカッコいい写真とは、いったいどのようなものなのでしょうか? それは、フラットの反対であるグラデーションがあるリアルな写真や動画に他なりません。そして、このグラデーションを表現するひとつが「ボケ」と言われるものなのです。 この「ボケ」とは、焦点があってる主体と、それ以外の背景が滑らかに(グラーデーショナルに)ボケていくことが美しい特徴とされています。すべてがボケている写真は「ピンボケ」と呼ばれますが、狙ったものだけにピントがあい、他がキレイにボケれば、被写体は引き立つ事になるものです。 この美しいボケ効果が高いのが「単焦点レンズ」、そしてカメラで言えば「フルフレーム」の特徴です。 ボケは、英語でも「Bokeh」と呼ばれており、これは、世界を席巻するレンズのほとんどが日本製であることから(ドイツメーカーのレンズの大半も実は日本製)、慣習的に製品とともに文化として、また言語として世界に伝搬した好例であり、かつてのクールジャパンそのものだと思います。ですので、海外で「ボケ」と言っても通じるのです。 一般的にボケをうまく使うと柔らかい表現になりますので、女性や赤ちゃんを撮るのには最適で、またボカさず、フレーム内の被写体すべてにピントが合っている状態にすれば(パンフォーカスといいます)、固い写真になりますので、風景に向いていることとなります。 動画制作であれば、このふたつのカットを交互に使う事によって、リズムが生まれます。写真であれば、ブログに掲載する並び順を、固い風景写真の次に、柔らかい「ボケ」がキレイな写真を置くことで、リズムが出るのです(雑誌だとページ構成になります)。 多くの人がお持ちのスマートフォンでは、この「ボケ」表現が大変苦手で(物理的な光学の問題です)、実は、現代のお作法である「フラットデザインに適した写真」が、スマートフォンは苦手だ、ということになります(フラットデザインを見るのには、適しています)。 ですので、スマートフォン以外のカメラで撮影するのでしたら、この「ボケ」をいかにうまく見せるか、がカッコいい写真を撮る秘訣なのです。 標準と言われる50mm、人を撮るのにもっとも適していると言われる80mm、そして望遠レンズの出来るだけF値が小さいレンズ(F2.8以下、できればF2以下)を使う事で、誰でもキレイなボケを撮る事ができるようになるものです。 是非、家電量販店にご自身のカメラを持ち込んで単焦点レンズを装着し、お試しください。いままでとは違う「カッコいい写真」が、簡単に撮れるでしょう。 |
0 件のコメント:
コメントを投稿