中島 聡 マイクロソフトでWindows95、Windows98、Internet Explorer 3.0/4.0のチーフアーキテクトなどを務めた。現在シアトル在住。「エンジニアのための経営学講座」を中心としたゼミ形式のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では世界に通用するエンジニアになるためのノウハウを分かりやすく解説。 | とても難しい問題です。理想型は、401k のような仕組みを使って、働きざかりの時に貯めた貯金で自分の老後を賄う、という形ですが、もう手遅れな人が大勢いるので解決策にはなりません。 私の両親は、寝たきりになる前に施設に入りました。長男の私が親不孝にもアメリカに来てしまったので、あまり期待されていない、というのもあると思います。 お金はかかりますが、万が一の時には介護までしてくれるので、安心です。入居金や月々の管理費は父の退職金で賄ってもらっていますが、それでも足らなくなったら長男である私が払うべきだと考えています。父には「遺産とかはいらないから全部使って下さい」と言っています。何才まで生きるのかが分からないため、「死ぬまでに持っている財産をちょうど使い切る」のはとても難しい話しです。最近は「医療費が高い」と愚痴るので、時々「お見舞金」と称して補助していますが、そのたびに「このお金は金儲けのために不必要な治療をする悪徳医師の手に渡るかも知れない」とついつい思ってしまう私です。 働き盛りの人が、親の介護のために仕事を辞めてしまうのは、日本経済にとって損失だというだけでなく、本人にとっても良くないと思います。ちゃんと働いて十分なお金を稼いだ上で、経済的な援助をする、出来るだけ近所に暮らして出来るだけ頻繁に顔を見る(この点に関しては私は他人にあれこれ言える立場ではありませんが)、というのが理想的だと思います。 ご両親の住んでおられる自治体でそのような老人サポートシステムがあるか、その地域にどのような介護施設があるか調べてみられると良いと思います。 ちなみに、私は、万が一病気になって、生命維持装置を付けていなければ生きられない状態になったら、生命維持装置を外してもらうことにしています。日本の法律には詳しくありませんが、米国では無駄な延命治療を避けるために、本人の意思が前もって表明されていれば、生命維持装置を外して良いことになっています。 |
0 件のコメント:
コメントを投稿