「トンデモ本」というのがあるが、「トンデモ政策」ばかりである。たとえば、集団的自衛権の行使容認、残業代ゼロ、原発再稼働等々。 私はそれを批判するのに固有名詞をつけよと提案したい。 たとえば、集団的自衛権の行使容認はもちろん、安倍晋三だが、いわゆる安保法制懇の座長代理は元東大教授の北岡伸一だった。実質、この北岡が猿まわしであり、安倍にいいように使われる猿でもある。 北岡を私は『創』の「タレント文化人筆刀両断」で批判したが、北岡は自民党に密着しているだけでなく、民主党政権時代も「日米密約の外務省調査を検証する有識者委員会」座長だった。つまりは典型的な御用学者。波乗りにも似た遊泳術の巧みさに、"ウィンドサーファー"と皮肉る人もいるようだが、"歩くゴマスリ"なのである。 こんな北岡が推進する集団的自衛権の行使容認が国民のことを考えたものであるはずがない。 だから、容認派はいいかげんな北岡と同類だと思ったほうがいい。北岡の顔写真を行使容認に貼って議論した方がいいということである。 残業代ゼロは産業競争力会議をリードする竹中平蔵という固有名詞をつけなければならない。メディアは竹中をよく慶大教授と書くが、パソナの会長もやっており、パソナの会長の収入の方が多いだろうから、パソナ会長と書くべきなのである。 そう書けば、人材派遣業すなわち紹介ピンハネ業最大手の会長の竹中が、こんな政策を出して来ることがおかしいと、すぐわかるだろう。竹中の言うがままに「慶大教授」と書いて「パソナ会長」としての竹中を隠すことに手を貸している。 6月7日付の「日刊ゲンダイ」に、テレビ愛知の「激論コロシアム」でそれを突かれた竹中が逆ギレした、と書かれていた。政府の諮問会議に有識者として入っているのだと居直った竹中に、同席者が、「ではパソナの会長をやめたらどうか」と突っ込んだら、居直った末に逆ギレしたというのである。 私はズーッと竹中こそ国会に呼んで証人喚問すべきと主張し続けてきて、「竹中平蔵こそ証人喚問を」(七っ森書館)という本も出した。 いまこそ、それをやるべきだろう。 残業代ゼロに反対というよりも、竹中(パソナ平蔵と呼んでもいい)の残業代ゼロに反対と主張する方がずっと迫力があると思うのだが、日本の野党はそうした知恵がないし、工夫もない。 原発再稼働も問題の多い東京電力や関西電力がそれをやるんですよ、任せられるんですか、ということである。トンデモ政策は特に固有名詞をつけて考えなければならない。 |
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