2014年6月27日金曜日

「やぶ医師のひとりごと」 痔(じ)の予防

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 ◆  やぶ医師のひとりごと    第 434号  ◆
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   2014年6月27日発行 購読者数 8425名
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  <本日のテーマ> 痔(じ)の予防
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皆さん、こんにちは。

今回から購読して頂いた方、はじめまして。

循環器内科医のDr. Iです。



今週も「痔(じ)」について。

まずは、先週までの復習。



 ●痔(じ)とは

  ○肛門周辺の静脈が圧迫されて血液がうっ滞し、

   お尻の辺りにできる病気。

  ○中年男性に多いイメージだが、男女差はなく、

   若い人にもできる事もある。



 ●痔(じ)の種類

  ○痔核(いぼ痔)

   ■3種類の痔の中で最も多いのが痔核。

   ■肛門の内側にイボができると内痔核(ないじかく)、

    肛門の外側にできるのは外痔核(がいじかく)。

   ■内痔核は痛みはないが出血する。

   ■外痔核は痛みは強いが出血は少ない。


  ○裂肛(切れ痔)

   ■肛門の皮膚が切れたり裂けてしまった状態の事。

   ■便秘が原因でなりやすく、女性に多い。

   ■排便時に激しい痛みがあり、出血もある。


  ○痔瘻(じろう)

   ■直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐトンネルができる痔。

   ■感染を起こしているので、熱が出て、痛みもある。

   ■市販薬では治らないので、病院で治療する必要がある。



 ●痔(じ)の原因

  ○便秘、下痢

  ○排便時間が長い

  ○ストレス、暴飲暴食

  ○アルコール・刺激物の摂り過ぎ

  ○食物繊維不足

  ○座りっぱなし・立ちっぱなしの生活

  ○体の冷え、○妊娠、出産、など



 ●痔(じ)の治療

  ○生活習慣の改善

   ▲便秘をしないように気をつける

   ▲下痢をしないように気をつける

   ▲トイレで強くいきまないようにし、排便は3分以内に

   ▲お尻をいつも清潔に保つ

   ▲毎日おふろに入る

   ▲腰を冷やさないようにする

   ▲長時間の座りっぱなし、立ちっぱなしはやめる

   ▲辛いもの、アルコールなどの刺激物は控える

   ▲食物繊維や水分をしっかりとる
 
   ▲手軽にできる運動を、毎日行う

   ▲ストレスをため込まないようにする



 ○薬物療法

  ▲外用薬

   □軟膏
 
   □注入軟膏

   □坐剤

  ▲内服薬

  ▲手術



痔というのは、肛門周辺の静脈が圧迫されて

血液がうっ滞し、お尻の辺りにできる病気の事です。



痔には、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(じろう)

の3つの種類があります。



痔核(イボ痔)は、内痔核と外痔核に分けられ、

内痔核は痛みはないが出血するようなイボ痔。

外痔核は痛みは強いが出血は少ないタイプのイボ痔。



裂肛(切れ痔)は肛門の皮膚が切れ、裂けてしまった状態で、

便秘が原因でなりやすく、女性に多い痔です。



痔瘻(じろう)は直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐ

トンネルができる痔で、感染を起こしているので、

熱が出て、痛みもあります。



痔の一番の原因は便秘で、便が硬いと大便の時にいきんで

肛門に負担がかかるし、便が硬いと切れてしまいます。

また、下痢便になると勢いよく便が出てしまうから、

下痢も痔の原因になるんですよ。



その他、暴飲暴食やアルコール、刺激物の摂り過ぎ、

ストレスも痔の原因になります。



痔の治療で最も重要なのは生活習慣の改善です。

便秘や下痢にならないように気をつけ、

お尻を清潔にすることが必要です。

立ちっぱなしや座りっぱなしもやめた方が良いです。



その他、塗り薬や座薬、飲み薬による治療もあります。

あと、先週書くの忘れちゃいましたけど、

痔の治療のイメージは手術ですよね。

もちろん、手術で治療する方法もあります。



  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆    



それでは、本日も痔について。

今日は、「痔の予防」についてです



 ●痔(じ)の予防

痔は生活習慣病ですから、「痔の治療」でも書いた通り、

生活習慣を改善する事が予防でも重要です。

先週は簡単にしか書いていなかったので、

もう少し詳しく書いていきましょう。



  ○正しい排便習慣

間違った排便習慣は痔の原因となります。

痔にならない・痔を悪化させないために、

おしりに負担をかけない排泄を心がけて下さい。



   ▲排便は3〜5分かけて

無理ないきみは肛門に負担がかかり、うっ血の原因となります。

便意に従って排便すれば、

だいたい3分もあれば十分排泄できます。

トイレに長居するのはやめましょう。



   ▲排便を我慢しすぎない

便意の我慢を繰り返していると、便意を感じなくなり、

直腸に長く便がとどまってしまいます。

すると、直腸が便の水分をどんどん吸収し便が硬くなり、

排泄の際に肛門に負担をかけることになります。



   ▲便意が起こってからトイレに行く

便意があろうとなかろうと、毎日決まった時間に

トイレに行かないと気がすまない人、いますよね。

でも、便が直腸まで下りてきていないのに

排便しようとすると、肛門に余計な負担をかけて、

それが痔の原因になってしまいます。



   ▲排便後にはしっかり洗浄し、常に肛門を清潔に保つ

排便後は、おしりを優しく拭き、

シャワートイレ(ウォシュレット)を使ったり、

座浴や入浴で肛門をきれいにしておきましょう。

市販の肛門清浄剤を使っても良いです。



  ○食生活の管理

排便のリズムを整えるためにも、

適切な食生活を心がけましょう。



   ▲朝食をきちんととる

朝食の後は便意が起こりやすいためです。



   ▲水分を十分にとる

水分が足りないと便が硬くなり、便秘になります。



  ▲食物繊維を多く含んだ野菜や海草類を多くとる

便秘を防ぐためです。



   ▲乳酸菌・ビフィズス菌などを多くとる

下痢を防ぐためです。



   ▲刺激物は控えめに

下痢を起こしやすく、肛門を刺激しやすいからです。



   ▲飲酒はほどほどに

過剰なアルコールは下痢や肛門部のうっ血の原因になります。



  ○ライフスタイルを整える

   ▲冷えに注意

体が冷えると、肛門の筋肉が緊張したり、

血液の循環が悪くなって痔に悪影響を及ぼします。



毎日、入浴して血行をよくしたり、寒いときには、

使い捨てカイロなどで体や腰の回りを

冷やさないようにしましょう。



夏場の冷え性も増えています。

クーラーで冷え過ぎないように注意しましょう。


  
   ▲お風呂は湯船にゆっくりつかる

入浴は、痔の自己予防法として効果的なものの1つです。

肛門が清潔に保たれるだけでなく、おしりが温まることで

肛門のうっ血が改善されるので、

毎日の習慣にしたいものです。



大切なのは、シャワーだけではなく湯船にゆっくり入ること。

半身浴でもかまいませんので、

ぬるめのお湯でじっくり入るようにしましょう。



   ▲同じ姿勢を続けない

ずっと座ったままだったり、立ったままだったりと、

同じ姿勢を続けていると、

肛門がうっ血してしまいがちになります。



休憩時間に軽い体操をするなど、

適度に体を動かすことが大事です。



   ▲適度な運動

適度な運動は、ストレス解消に役立つだけでなく、

腸の動きを活発にして排便を促す効果があります。



   ▲ストレスや疲労をためない

疲れやストレスがたまると、免疫力が落ち、

痔が悪化しやすくなります。

なるべくリラックスして、趣味などでストレス発散しましょう。



というわけで、本日は「痔(じ)の予防」についてでした。

いつものように、下にまとめを書いておきますね。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



【今日のまとめ】     

 ●痔(じ)の予防

  ○正しい排便習慣

   ▲排便は3〜5分かけて

   ▲排便を我慢しすぎない

   ▲便意が起こってからトイレに行く

   ▲排便後にはしっかり洗浄し、常に肛門を清潔に保つ



  ○食生活の管理

   ▲朝食をきちんととる

   ▲水分を十分にとる

   ▲食物繊維を多く含んだ野菜や海草類を多くとる

   ▲乳酸菌・ビフィズス菌などを多くとる

   ▲刺激物は控えめに

   ▲飲酒はほどほどに



  ○ライフスタイルを整える

   ▲冷えに注意
 
   ▲お風呂は湯船にゆっくりつかる

   ▲同じ姿勢を続けない

   ▲適度な運動

   ▲ストレスや疲労をためない



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【編集後記】

痔の予防も、生活習慣の改善です。

食物繊維や乳製品、水分を摂って便秘を防ぐ、

というのと排便習慣の改善ですね、ざっくり言うと。



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たくさん勉強しないといけないんだけど、

あんまりやる気がしません。

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