「支援団体の活動の場はまだまだある」「今後は、団体間の横の繋がりがキーポイント」と話すのは、主催者の佐藤柊平さん。
福島に恋をしよう!をスローガンに活動する学生団体「あいべ福島プロジェクト」のスタッフ3人。 当日は、200名以上の参加者が詰めかけた。
パネルディスカッションでマイクを持つSAVETAKATA代表理事の佐々木信秋さん(中央)と、ふくしま連携復興センター事務局長の鎌田千瑛美さん(右)、NPO法人底上げ代表理事の矢部寛明さん(左)。
| | 「10年後、東北沿岸の町にはピカピカの道路と新築のきれいな建物が建ち並んでいるでしょう。でも、そこに若者の姿はなくて、お年寄りの姿ばかりの奇妙な町になっているかもしれません。建物だけが修復され、中味が失われたまちです。これは私たちの求めていた復興の未来ではありません」東北沿岸部の抱える不安を代弁したSAVETAKATAの佐々木信秋さん。つづいて「このままでは良くないのはわかっています。じゃあ、若者が定着して暮らしていける魅力のある町にするためには、何が必要でしょうか」と問いかけた。会場を埋め尽くす学生たちが固唾をのむなか、佐々木さんは「いま必要な支援は、モノを一方的に与える支援ではなく、一緒に創っていくというかかわり方ではないか」と、一つの考えを参加者に示した。
この日、東京の明治大学では、これから携わる東北をテーマに「東京ユースカンファレンス3.11」が開催され、東北の被災地支援に関心を持つ大学生200名が全国から詰めかけた。当日は、今年大学1年生になったという参加者が多く、震災当時は高校生だった彼らの思いは、「東北に関心はあったが、当時は何もできずモヤモヤしていた」「完全に人ごとに思っていたが、今になって行けば良かったと思いはじめた」といった声にあらわれていた。
続く、支援団体のPRセッションでは、現在も東北支援の活動を続ける15の学生団体が登壇し、それぞれのユニークな活動を紹介した。被災地のお母さんたちの手仕事よる商品を企画し全国に紹介している学生団体SKCの大西菜月さんは「力仕事じゃなくても、女の子の感性を生かして支援につなげることが出来る」と自身のボランティア経験から産まれた現在の活動を紹介。ほかにも宮城県北東端の唐桑地区の若者と一緒に地域おこしを展開する団体「からくわ丸」、被災地に参考書を送る活動や、関東に避難して来た被災地の受験生たちに学習支援を行うグループなど、様々な活動が紹介された。続いて行われた交流セッションでは、参加者が数名のグループにわかれ、各団体の主催者と膝を突き合わせた交流を図るなど、会場は熱気に包まれた。
パネルディスカッションの最後の質疑では、「ようやく受験も終わって自由に東北にも行けるようになった。でも、自分が情熱を持って活動に取り組めるのか正直不安に思う。果たしてどれほど役に立てるのか自信もないし、結局二の足を踏んでしまう」と言う参加者の声があがった。
パネリストの佐々木さんは、「与えつづけるだけの支援は続かないのは当たり前。取り組む方にも何らかのメリットがあって当然だと思う。仲間を見つけるとか、将来のキャリアに繋がるとか、最終的に現地で起業するぞ!とか、何らかの目標を持って取り組んでみてはどうか」と答え、「この時代に生きる日本人として、東北沿岸のいまを知っていてほしい。とにかく1回足を動かして、自分が活動出来る場所や内容を探してみてほしい」とエールを送った。(岸田浩和)
|
0 件のコメント:
コメントを投稿