中島 聡 マイクロソフトでWindows95、Windows98、Internet Explorer 3.0/4.0のチーフアーキテクトなどを務めた。現在シアトル在住。「エンジニアのための経営学講座」を中心としたゼミ形式のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では世界に通用するエンジニアになるためのノウハウを分かりやすく解説。 | この件に関しては、私も浜岡原発が止まった時に調べました。結論から言えば、原子炉を停止してしばらくの間は崩壊熱が大量に出ているので、万が一全電源喪失となれば数時間でプールの水が蒸発してメルトダウンの可能性があったそうです。しかし、時間とともに崩壊熱は大幅に減るので、現時点で電源喪失をしても、数日間の猶予があるそうです。 なので、「停止していても危ないならば再稼働させても良い」という話ではないのです。しかし、浜岡原発のような地震の多い場所に、使用済み核燃料を中途半端な形で長期間保存するというのはやはり危険なので、廃炉が正式に決まった時点で、比較的地震の少ない場所に、(電源に頼らない)ドライキャスクに入れて保管するというのが正しいやり方だと私は思います。 使用済み核燃料に関しても、「どのみち最終処分場を見つけなければいけないのだから、再稼働しても同じ」という発言をする人もいますが、そんな問題を抱えた使用済み核燃料をこれ以上増やして良いとは私には思えません。 いずれにせよ、福島第一の事故は、「想定外の津波」のための天災ではなく、「津波を意図的に想定外に置かなければ進められなかった原子力政策」という欠陥だらけの政策によって引き起こされた人災であることを再認識する必要があります。「既に破綻している核のリサイクル」を未だに諦めることが出来ないのも、ルーツは同じ所にあります。 東電の関係者も経産相の役人の刑事責任も問えないこの国に、原発のような危険なものを運転させてはいけないと思います。原発そのものにある程度の危険が伴うのはまだ容認できるとしても、あそこまで徹底的に国民の信頼を裏切った人たちをもう一度信頼しろといわれても私には出来ません。どうしても再稼働したいなら、津波を意図的に想定外に押しやった責任者たちに刑事罰を与え、東電を破綻・解体した上で、やるべきです。 |
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