【被告】 海外での録画 | 海外へ転勤になった友人に、日本で録画したテレビ番組を送りたいのですが、法的にNGでしょうか? HDDレコーダーからDVDにダビングして20〜30枚くらい送りたいです。また、法的にNGでなければ、ネット上で見られると楽なのですが、何かよい方法はありませんか。 | 家電に対する質問・疑問・苦情を受付中!下記のアドレスまで送ってください。 kaden_goiken@mag2.com | | 先週は、海外への友達へ、テレビ放送をダビングしたらどうなりますか? というご質問をいただき、著作権に照らし合わせると、NGというお答えしました。
著作権は非常に複雑ですよね。家庭用の録画機と著作権は、誕生した頃から激しく争っています。でも、今、私たちは普通にテレビ番組を録画していますよね。じつは、これは、ソニーの盛田さんが戦ってくれたおかげでなのです。
1976年にアメリカで起こった「ベータマックス訴訟」という裁判があります。
当時、アメリカで「ベータマックス」を販売するにあたって、こんな宣伝コピーが予定されていました。
「これで『コロンボ』を見ているから、『コジャック』を見逃す、ということはなくなります。その逆もありません。ベータマックス──ソニーの製品です。
これに怒ったのが、両番組の著作権を持っていたユニバーサルとMCAです。家庭用VTRは著作権を侵害している、VTRを使う個人も、それを製造・販売するソニーも著作権を侵害している、として訴えたのです。
裁判には莫大な費用もかかりますし、しかも裁判に負ければ、家庭用VTRが米国では販売できなくなる。事実上、家庭用VTRは姿を消してしまいます。
これまで日本企業が米国連邦最高裁で訴えられて勝利したことはありません。ですが、VTRの未来のために、ソニーの盛田さんは、真っ正面から受けたんです。
裁判を戦うにあたって、キーワードとなったのは、盛田さんが作った「タイムシフト」という造語。 「家庭用VTRは、元々見られる番組を単に時間帯を変えて見ているに過ぎない。録画は『複製』ではなく『放送時間の延長』だ。また、公衆の電波は、多くの人に情報を伝達するための公衆の資産。いったん電波に載せた以上、多くの人がより多く見られるVTRの存在は認めるべき」として徹底的に戦いました。
天才的な詭弁ですよね。でも、このくらいやらないと米国では勝てません。
裁判はなんと8年間にも、及びました。
最終的に9人の最高裁判事が下した結論は、5対4でソニーの勝訴。本当にきわどい勝利だったのです。もし、逆の判決が出ていたら、その後のDVDもBDも発売されることはなかったでしょうね。
ネットを使って録画した番組を見るのは、「タイムシフト」ならぬ「プレースシフト」でいいのでは? と思います。ただし本人が録画していないと、また問題があるかもなぁ。たしか、米国の放送を日本で再生するという「プレースシフト」サービスも、米国にあったはずです。ダジャレを話す外人さんが使っているの見ました。
今は地デジの版権もうるさいですよね。でも、正面からはどこも戦わないです。グレーゾーンとなるところは、メーカーが勝手に自粛しています。この先に未来はあるのかな? と不安になってしまいますね。 |
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