7日、パリで風刺雑誌シャルリー・エブドの編集部が襲撃され、12人が殺される衝撃的な事件がありました。犯人たちはその後、潜伏していた印刷工場で特殊部隊に射殺されました。さらに、別の場所では女性警官が射殺され、その犯人が立てこもっていたスーパーマーケットでやはり射殺されました。スーパーマーケットの人質4人も死亡するという痛ましい結果となりました。 犯人のうち一人はイスラム過激派アルカイダのキャンプで戦闘訓練を受けていたという情報もあり、今回の事件はイスラム教預言者ムハンマド氏を風刺したことに対する報復テロという見方が有力です。有無を言わさずに暴力で相手の命を奪うことはどのような理由であれ許される行為ではなく、このような暴力行為を是とする集団は容認されるべきではないでしょう。事件が起きたフランスはもちろんのこと、西洋諸国の多くの人々が"Je suisCharlie"(私はシャルリー)というメッセージを掲げ、言論の自由を尊重し暴力に反対するメッセージを表明しています。 暴力は決して許されることではありません。ただ、これとは別に、シャルリー・エブドを含めたフランスのメディアの姿勢も、僕は容認できません。このグローバル化の時代に異文化に対する配慮をせずに、自国のローカルセンスのみでヘイトスピーチまがいの表現を出し続けるのは適切ではないからです。フランスや西洋文化圏では許容される表現であっても、他の文化圏ではただのヘイトとしか受け取られないものもあるわけです。 この手の風刺は多くの人を楽しませる一方で、傷つく人も増やし、憎悪を増幅したりもします。メリットとデメリットを考えたときに、社会全体にとってどれほど意義があるのかどうか。表現をする側の人間は、このことを常に考えなければならないでしょう。この一件は非常に考えさせることが多いので、また別の機会にも論考を書きたいと思います。 |
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