私、既に半年前の時点で、大阪11区に縁もゆかりもない佐藤さんが落下傘候補として出馬する話を聞いていました。知りえた情報は基本的になんでもしゃべる私にしては珍しく、この件は半年黙り通したんですが、それにはちょっとした訳があります。「今後私にこんな話を持ち込むと必ず喋っちゃうよ」ということをあえてアピールするために今回はマル秘の話を書きます。 実は佐藤ゆかりさんよりずっと前に大阪の自民党が11区に担ごうとしたのは、誰あろう私だったんです。もう一年ほど前になりますが、自民党関係者からアプローチがあって、大阪のニューオータニ1階の喫茶室で会うことになりました。正直、ちょっと意外でした。私、中央政界の人たちなら、自民、民主から共産に至るまで結構等距離外交で親しくしている政治家がいるんですが、地方政界、特に大阪で自民党関係者からアプローチがあるなんて、完全に想定外だったんです。関西在住の人ならなんとなく感覚的に分かると思いますが、私は長年番組で一緒だった橋下徹と関係が深いと思われてますからね。要するに維新色が強いってことです。そんな私に、いくら大阪11区(枚方市・交野市)が私の地元選挙区だからって、現職の維新議員の対抗馬として自民党から出ろって言うのは「ぶっ飛んだ発想だよね」って思ったんです。 ちなみに前回の衆院選では、維新から私に大阪11区から出馬しないかという話は確かにありました。この時も丁重にお断りしたんですが、その後やしきたかじんさんの椎間板ヘルニアのレーザー治療をした医師の伊東信久氏が立候補、当選しています。余談ですがこの人、現在発売中の百田尚樹さんの「殉愛」で軽く悪口書かれていて笑いました。個人的に付き合いが無いのでどんな人かは詳しく存じ上げないんですが、出馬前、私の講演会などにも顔を出してくれ、相当熱心に国会議員を目指していたことだけは確かです。 話を元に戻すと、一年ほど前に私のところに出馬の話を持ってきてくれた自民党関係者はその後、私が固辞したにも関わらず時々訪ねてきては、地方政界のよもやま話を聞かせてくれたんです。そんなある日、私の携帯にこの人から何度も着信があって、「一体何事?」と電話をすると、「11区の自民党公認候補に佐藤ゆかりさんが決まりました」と報告してくれました。これが半年ほど前です。この時根性の曲がっている私はこう考えたんです。 「自民党筋が継続して私にアプローチしてくるのは、私が立候補しないことを確かめているんじゃないだろうか。佐藤ゆかりに決まりましたって言うのも、私と維新との関係を探るためのインテリジェンス戦略なんじゃなかろうか?」 つまりこういうことです。スパイを見つけるためにはいろんな方法があります。一つの方法はスパイと思しき人物に、偽情報を流すやり方です。たとえば、組織内のAにスパイの疑いがあるとしましょう。このAにわざと間違った情報をリークするんですね。もし対立組織の間でこの偽情報が広がったら、間違いなくAはスパイです。また疑わしい人物が複数いる場合には、それぞれに違った偽情報を流して、情報の伝播する状況をたどって行けばスパイや組織をあぶりだすことが出来ます。 もし「佐藤ゆかり出馬情報」が私にだけ渡された偽情報で,その後「大阪11区の自民党候補は佐藤ゆかりらしい」という情報が維新議員の間で広がったら、それは私が維新に情報を流したってことに他なりません。私、「ん〜、これは情報戦かな?」って深読みしたんですね。逆に言えば、大阪11区に世田谷生まれの佐藤ゆかりって、それくらい唐突感があったってことです。 今回大阪11区の候補者が正式に佐藤ゆかりさんに決まったってことは、私にこまめに情報を渡してくれていた自民党の某氏はただのいい人だったってことになります。正直、意外です。 さて、どんな戦いになりますかねえ。この大阪11区は伝統的に民主党が強く、小選挙区になってからは松下労組の全面バックアップの下、民主党の平野博文さんが当選し続けていたんです。ところが前回は民主党に吹いた強烈な逆風に平野さんが吹き飛ばされ、維新の伊東信久氏が当選しました。ちなみに自民は、一回だけ比例復活を遂げたことのある井脇ノブ子氏が、小選挙区で連続落選しています。「井脇ノブ子」と聞いてもピンとこない人がいるかも知れませんが、「ピンクのパンツスーツの男おばさん」と言えば、誰でも知っているでしょう。国会でも長くこの人物は「派手なおっさん」と思われていましたからね。 ちなみに前回の選挙戦の最中、家の近所を散歩していたら、井脇さん本人が乗った街宣車がやってきて、うっかり軽く会釈したら、大音量で「やる気!元気!井脇!の井脇ノブ子です。ありがとうございます。沿道の辛坊さんも応援してくれています!」と言われて焦りました。思えばこの人も落下傘候補でした。誰か地元で適任者がいないんですかね。ホント、投票に困ります。 |
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