有料メルマガ『むしマガ』が人気急上昇中の、元NASA研究員・堀川大樹さん。地上最強動物といわれる"クマムシ"研究の第一人者で、なんと現在はパリの大学の研究員。そんな堀川さんの「クマムシメルマガ」は世界初?!
そこで今回は、堀川さんの有料メルマガの人気の理由を分析し、メルマガ読者数を増やす方法を探っていきます。 | | 専門外の人にも分かりやすく! | | 専門分野を取り扱うメルマガは、それだけでもとっつきにくいもの。幅広い読者を獲得したいなら、専門の人からそうでない人まで、幅広い層が興味を持てるような書きかたをすると良いかも知れません。 | | | クマムシトリビア その29
読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答します。
◆ 質問:
クマムシに天敵っているんですか?
◇ 回答:
はい、います。
といっても、クマムシは野外での生態調査が難しいため、詳しいことはよくわかっていません。それでも、報告されている範囲内、そして僕自身が観察した事例から、クマムシの天敵についてお話ししたいと思います。
まず、クマムシの天敵で真っ先に挙げられるのがクマムシです。
肉食のクマムシは他の種類のクマムシを食べてしまうんです。とりわけ、子どものクマムシは体が小さいので、簡単に餌食になります。
コケを水の張ったシャーレの中に入れて観察すると、たまに肉食のクマムシが他のクマムシを食べていることがあります。とくにオニクマムシや那賀町メイムシの種類が食べているところに出くわす頻度が高いです。
オニクマムシは培地の中に何十匹もいる状態で飼育するのですが、共食いを見たことは1度くらいしかありません。オニクマムシは獲物にぶつかると噛みつくのですが、オニクマムシどうしがぶつかっても攻撃しません。おそらく、オニクマムシの体表に存在する化学物質などを認識して、同種だと認識し、共食いを避けているのでしょう。
さて、その他には肉食性の線虫がクマムシを食べます。僕は一度だけ、インドネシアで採集したコケから出てきた線虫がクマムシを食べているのを目撃したことがあります。線虫はヒモのような細長い形をしていますが、先端に位置する口でクマムシのおなかを噛み付き、体液を吸っていました。恐ろしや。
他にはある種のカビがクマムシに寄生しているのを見ることがあります。寄生性のカビで、クマムシから養分を奪っているものと思われます。このカビ、ずっと湿った状態のコケによく発生するようで、クマムシが乾燥した環境に生息しているものが多いのは、このカビから逃げているためではないか、という説もあります。
実際、ずっとじめじめしたコケからクマムシが見つかることはほとんどありません。競争や捕食リスクから逃げてニッチな環境に適応したクマムシからは、人間社会で生き残るための知恵を学ぶことができそうですね。
むしマガ Vol. 87 2012/11/11【クマムシの天敵】より抜粋 | | | | 何かを説明する時、簡潔な説明や考察を入れるだけで理解が深まります。専門的なことを書く時こそ、そういったことも踏まえて書くとより読みやすくなりますね! | | |
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