レビュアー:加倉井路子 | まぐまぐから出ている有料メルマガの、ほぼ全てに目を通すアラサー女子。幼少より哲学に興味を持ち、学生時代はラテン語を学ぶ。趣味は家電店巡り。 | | | 読者も著者も同時に得をする 「永江式Q&Aメルマガ戦略」とは?
今週は、"読者Q&A"のみで成立している、Webコンサルタント永江一石氏の異色のメルマガに注目。Q&Aといえばメルマガの定番コンテンツだが、ふつうは最後のほうに付属的に掲載されている程度のものだ。読者からの質問コーナーは人気を集めやすい反面、それ自体がメインコンテンツにはなりづらいからだ。だが、そのセオリーに反して永江氏のメルマガは、創刊当時から質問と回答だけのスタイル。Webマーケティングのプロである永江氏だから、勝算があってのことだったと思うが、結果的にこのメルマガが多くの購読者を集め、それでいてバックナンバーも売れていることが、その戦略の成功を示す何よりの証拠となっている。
さて、なぜこのメルマガはバックナンバーがよく売れるのか。答えはシンプルである。メルマガ紹介ページの右下にある「さらに以前のバックナンバー一覧」をクリックすれば、すぐにわかる。すべてのバックナンバーに、その号で取り上げた4つの質問テーマがきちんと併記されていて、ユーザーがこのページを訪問したとき、素早く読みたいタイトルを見つけられるようになっているのだ。多くの著者がバックナンバーのタイトルまではあまり気を配っていないなか、完璧なユーザー導線設計を実現している。安定した売れ行きが、このきめ細かいプロの手法の正しさの証だ。
また、きめ細かい「永江式Q&Aメルマガ戦略」の成果は、どうやらメルマガ売上だけでは終わらないようだ。ブログで「最近はメルマガの質問があるのでネタに困らない」と言及しているように、永江氏は質問を受け付けることによって、自分自身のコンテンツ発信力を向上させているフシがあるようだ。人の悩みを利用して自分の価値をアップするとは、そのネタを提供している側としては少々面白くない話かもしれないが、それでも着実に上がっていく永江氏の問題解決能力を、月額たったの315円で継続活用できるのだから、読者にとっても損な話ではない。
だが、このままでは速度を上げて成長する永江氏と読者の実力差は開く一方である。それが何とも口惜しい。少しでも差を縮めるべく、質問を読んですぐ回答へ読み進まずに、数分踏みとどまって自分なりに問題分析・戦略立案のトレーニングを開始しよう……なんて思う次第だ。(加倉井路子) |
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