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◆ やぶ医師のひとりごと 第 352号 ◆
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2012年10月26日発行 購読者数 8818名
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＜本日のテーマ＞ 緑内障の治療
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皆さん、こんにちは。
今回から購読して頂いた方、はじめまして。
循環器内科医のDr. Iです。
○ガンを治す新漢方療法
http://www.shin-kanporyohou.com/
日本で最も死因として多いのが、「ガン」である、
という事は、ご存じの方が多いですよね。
ガンの治療は、手術、放射線治療、化学療養がメインだ、
という事に関しても、知っている人が多いでしょう。
たしかに、ガンを治す、っていう事が最も大事ですが、
ガンって、全員がきれいに治る訳じゃないんですよ。
そしたら、治るって事以上に大事な事もありますよね。
そういうのを、「生活の質」
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)と呼びます。
どっちが大事とかそういう事じゃなくて、
QOLも長生きと同じくらい大事ですよね。
西洋医学は治すための「戦う医療」が得意なんですけど、
QOL改善のためには、漢方薬が注目されているんですよ。
人気のある本で改訂版も出ているようですから、
興味のある人は、是非どうぞ！
○ガンを治す新漢方療法
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今日も、元気を出して行きますよ〜♪
緑内障について。
まずは、先週までの復習。
●緑内障とは
○視神経が障害されて、視野の一部が見えなくなる病気。
○年齢と共に徐々に進行して行き、
基本的には視野が戻る事はない。
○日本の失明原因として、最も多い病気。
○４０歳以上だと、２０人に１人くらい、患者がいる。
○治療は基本的には目薬。
●緑内障の症状
○初期の段階では、気づきにくい。
○片目で見ると目が見えにくい、
見える範囲（視野）が狭くなる。
○視野の周辺がかすんだり、欠けたりする。
○緑内障が進むに従って、視野狭窄が進んでいく。
○最悪の場合は、失明する事もある。
○緑内障発作の症状は、急に頭痛や吐き気、
目の痛みや視力低下が現れる。
●緑内障の原因
○目に栄養を与える水（房水）の出口にあたる部分（隅角）
が閉塞したり、目詰まりすると眼圧が上がる。
○眼圧が上がると、視神経がやられてしまう。
○視神経がやられると視野が狭くなったり、
視野がかすんで、緑内障という病気になる。
○ただし、眼圧は正常なんだけど視神経がやられる、
正常眼圧緑内障というのもあって、原因は不明。
●緑内障の検査
１）、眼圧検査
２）、隅角検査
３）、眼底検査
４）、視野検査
緑内障というのは視神経がやられちゃって、
視野の一部が見えなくなる病気です。
年齢と共に徐々に悪くなっていくもので、
基本的に治る事はないんですよ。
高齢化が進むにつれて患者はどんどん増えていて、
今では日本の失明原因で糖尿病を抜いて一番多い病気です。
緑内障の症状は、初期の頃はほとんどないんですけど、
病気が進むと、目が見えにくい、見える範囲（視野）が
狭くなる、視野の周辺がかすんだり、欠けたりする、
という症状が出て、最悪の場合は失明する事もあります。
また、急に目が痛くなったり、視力が低下したり、
激しい頭痛や吐き気を起こす「緑内障発作」もあります。
そして、緑内障の原因としては、眼圧が上がって
視神経がやられてしまう、っていうのが主な原因ですが、
眼圧が上がらないタイプの緑内障もあるんですよ。
んで、緑内障の検査には、眼圧を測る検査とか、
視野検査、眼底検査、隅角検査などがあるよ、
という話でしたね。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
それじゃあ、本日も先週に引き続き、緑内障について。
今日は「緑内障の治療」についてです。
●緑内障の治療
緑内障に何故なるのかというと、基本的には
眼圧が上昇して視神経が障害されるからです。
眼圧自体は正常の「正常眼圧緑内障」というのもあるけど、
この場合でも眼圧を下げれば緑内障の進行を
遅らせる事ができる、と言われています。
ですから、緑内障の治療は、「眼圧を下げる事」になります。
眼圧を下げる治療の方法として、具体的には
●緑内障の治療
○薬物療法
○レーザー治療
○手術
という３つの治療法があります。
では、それぞれについて解説していきましょう。
○薬物療法
緑内障の治療でメインになるのは、薬物療法です。
普通、薬物療法というと「飲み薬」になるんですけど。
緑内障とか目の病気の場合は「目薬」による治療が
薬物療法の中心になります。
細かい薬の種類とかを話してもあまり意味がないので、
具体的な内容は書きませんけど、
点眼薬の種類は緑内障治療薬だけで、
現在10種類以上あります。
それらの目薬を緑内障のタイプ・重症度・眼圧の高さ
などに応じて眼科の医師から処方されます。
最初は１種類の目薬が処方されて、様子を見ながら
効果が少ないと判断された場合は、途中で変更したり、
２−３種類の複数の目薬を組み合わせて処方されます。
目薬だけでは効果が不十分だ、と判断されたら、
飲み薬も一緒に飲んでもらう、という場合もあります。
ポイントは、目薬を使ったからといって、
症状がすぐに良くなる事はない、という事です。
だから、「良くならないからやーめた」と言って、
勝手に目薬さすのをやめちゃ、ダメですよ。
根気よく続ける事が治療の肝（きも）です。
それと、目薬を処方される時に注意されると思いますけど、
２つ以上の目薬を使う時は、５分以上空けてから
別の目薬をさすようにして下さいね。
○レーザー治療
薬物療法でも眼圧がコントロールできない、という場合や、
急性の緑内障発作で目が痛い、頭痛がする、とか
急に眼圧が上がってしまっている場合。
そういう時には、レーザー治療が行われます。
「緑内障の原因」の時にも出した絵ですけど。
参照：Santen「緑内障」
http://www.santen.co.jp/health/ryokunai.shtml
この「原発開放隅角緑内障」のとこの絵を見てください。
目の前側にある、栄養とかを眼に送っている「房水」が
滞って、眼圧が上がるのが緑内障の主な原因です。
房水の出口が狭くなったり詰まったりして、
眼圧が上がるのですから、そこの出口に穴を開けて、
房水が流れるようにすれば良いんですよ。
レーザーを虹彩（いわゆる茶目）に当てて孔を開けて、
眼内の房水の流れを変える治療。
そして、線維柱帯にレーザーを当てて
房水の排出を促進するという治療があります。
緑内障にもいろんな種類があって、一部の
開放隅角緑内障に効果がある治療法です。
レーザー治療の痛みは軽いので、外来で出来る治療ですよ。
○手術
薬でも眼圧が下がらない、レーザーでもダメだった、
という場合には、手術を行う場合もあります。
レーザーをチョンと当てて、穴を開けたんだけど、
房水がうまく流れ出ないから、眼圧が下がらない。
という事ですよね、おおざっぱに言うと。
それじゃあ、房水の流れを妨げている部分を切って、
流れる道をつくって房水を流れやすくしてあげよう、
というのが緑内障の手術です。
それ以外にも、房水を眼外に染み出すように細工をする、
というような手術もあります。
手術をしても症状が改善するって訳じゃなくて、
あくまで「眼圧を下げて進行を食い止める事」が目的です。
緑内障の手術方法は年々改良が進んでいるので、
治療成績もかなり改善されてきいますよ。
そんな訳で、本日は「緑内障の治療」についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきまーす。
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【今日のまとめ】
●緑内障の治療
緑内障の治療の基本は「眼圧を下げる事」。
具体的な方法として、
○薬物療法
○レーザー治療
○手術
の３つがある。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
緑内障っていうのは、眼圧が上がるのが悪いんで、
眼圧を下げましょう、っていうのが緑内障の治療です。
基本的には目薬なんですけど、それでダメなら、
レーザー治療や手術をやる事もありますよ、って事ですわ。
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