初夏には、陸前高田市の小学校でグラウンドに芝生を植える作業を行った。 | | 現在、大学3年生の田代直樹さん。田代さん主宰のバスツアーは、次回で7回目になる。 | | 田代さんの呼びかけに、観光バス一杯の参加者が集まった! | | 参加者の年齢層は多彩。学生ばかりでなく、家族で参加してくれる方も。 | | 参加者同志や地元の方との交流が深まることもツアーの魅力。 | | | | 自ら企画したボランティアツアーを率いて、月に一度は被災地に向かうという田代直樹さん。通算6回、のべ200人近いメンバーを集め1年以上も現地に足を運んでいる。他の団体が活動を縮小・撤退していく中、継続的に現地に通うグループは貴重な存在だ。「ニーズが無くなったわけではないんです。人手の足りない拠点や支援の届きにくい地域はいくらでもあります」と話す田代さんは、自らの足で稼いだ情報やコネクションを生かし活動を展開している。 並外れた行動力とは裏腹に、見た目は柔和な印象の田代さん。 震災以前は「ボランティアの経験も無ければ、特に興味も無かった」という。現在も都内の私立大に通っており、平日は就職活動を控えた"普通の大学生"だ。 昨年の3月13日、宮城県の塩竈に行く予定があった田代さんは、東京で震災に遭う。自分が2日後に向かう筈だった町が、津波で水没するニュースに釘付けになった。「人ごとではない思いがした」 真っ先に現地に駆けつける事を考えたが、どうしたら現地に行けるのかわからない。震災後1ヶ月、2ヶ月と時間が経つにつれ、「自分は何も出来なかった」という無力感が湧いてきた。そんな折、インターネットでボランティア向けの夜行バスが出ていると知り、ようやく一人で現地に向かう。 現地では、自分と同じような思いでやって来た若者がたくさん居ることに気づいた。また、足を運ぶうちに、受け入れ団体や主催者の意向で、思ったような活動が出来ない事も経験した。限られた時間と費用で有効に活動出来ないかと考えるうちに、一つのアイデアが浮かぶ。「自らボランティアツアーを企画して、最適なスケジュールを組み、参加者を募ればいいんじゃないか」早速、バス会社に電話をかけ、中型バスをチャーターした。最初は人が集まらず肝を冷やしたが、中間支援団体の助けを借り、参加者の費用負担を軽減する仕組みなど、特色を設けた。誰かが日本代表をもじって「田代ジャパン」と呼びはじめ、呼称が定着した。徐々にツアーの噂が口コミで広がって行き、問い合わせが増え、継続開催に繋がった。 前夜に都内を出発し、翌朝現地のまちの様子をバスの中から参加者に観てもらう。作業場所に到着したら、現地の受け入れ団体と連携しながら時間一杯、作業に汗を流す。夕方、近くの温泉に立ち寄ってから、地元の方との交流もかねた夕食会を開く。夜半に現地を出発し、翌朝東京に戻って来る車中二泊の行程。参加者からは「旅行会社のボランティアツアーと違って、観光時間がない分作業に取り組める」と評判で「夕食会での交流会が印象的」「費用が安く週末メインなので、何回も参加出来る」などの声が多いそうだ。「意外と、被災地は初めてという参加者も多い」そうで、学生だけでなく30代、40代の社会人の参加者が増えて来ている。「ボランティア作業を通じて、被災地のいまを知りたいという方は、是非!」という田代さん。次回は、第7回目のバスツアーとして宮城県石巻市の北上エリアに向かう予定。11月23日出発で現地のボランティアセンターに1泊するツアーを計画中だ。「経験や年齢は不問なので、たくさんの方に参加してほしい」という。 |
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