ラジオ番組を彷彿させるような独特の語り口調が特徴の有料メルマガ『ゆーすけべーラジオ』。ソフトウェアエンジニアでありながら経営者でもある和田裕介さんが、開発者と経営者の視点からものづくりについて熱く語ります。
このコーナーでは、そんな和田さんの有料メルマガの人気の理由を分析し、メルマガ読者数を増やす方法を探っていきます。 | | 読者との距離が近くなる? | | 前回、"ものづくりの現場"について語ってくれた和田さん。今回は学生時代の友人とその思い出について書かれています。 | | | ## トモバナ「俺と愉快な仲間達」 ### 貸した2万円
人に金を貸すという行為はほとんどやったことが無いのだが、貸した2万円が返ってこない、というそれだけの話だ。
確か、彼はギターを買う金が欲しいってことで、俺は2万円を貸した。俺から積極的に金を貸す情景が浮かばないので、おそらく彼からせがんできたのだろう。そういえばその時、俺は学生ながらなぜか金を持っていた。2万円で彼はどんなギターを買ったのだろう。それ以後出会ってる気がしないし、これからも彼に出会う気がしないのでおそらく2万円は返ってこない。
彼は中学の時の同級生だった。俺と同じようにサッカー部だったし、ギターをひいてたし、一緒にバンドを組んだり、旅に出たりした。彼はある意味、俺のお手本みたいな存在で、誇張して表現すると俺にとっての「ヒーロー」だった。同性愛的な表現では無く彼の事を俺は好きだったのかもしれない。
中学生くらいの多感な時って、誰かに強く憧れを持つし、その細かいところまでを観察する。歩き方から喋り方といった立ち振る舞いも含めて。その一方で憧れがもたらす「てれ」があってうまく一対一で話せなかったりして今思うとなんだかもどかしい。
強烈に覚えているのは彼に当時流行りだった「Mr.Big」のギタリスト「ポール・ギルバート」のギター教本的ビデオを彼に渡して、二人で彼の部屋で見た事。一緒に真似てギターをひいた。俺はその後ポール・ギルバートの手があまりにも大きくて、これはひどいハンデキャップだなと絶望して、ギターを半ば諦めたのだが、彼はギターをつくる専門学校に進んだ。今でもギターを作っているのか?なんとなく作ってない気がしてたまらないのだけれども。
彼が今何をしているのか? そっと物陰から見てみたい、その好奇心はある。昔の憧れが今どうなっているのか? を試すには度胸がいるが、怖いもの見たさの俺がいる。だからと言って、2万円を返せ! とは言わない。だからこそ、ちらっとでもその姿を見てみたい。まぁ、さらに、2万円が返ってくれば一番いいんだけどね。
ゆーすけべーラジオ「東京にも雪が舞う号 Vol.0048」より抜粋 | | | | メルマガだけでは、なかなか筆者がどんな人なのか伝わりにくいもの。そのため、このように幼少時代のエピソードを交えた内容があると人物像がイメージされ、読者との距離がグッと近づきますね、 | | |
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