| 村西とおるのナイスな人達 | | 通算3000本のAVを制作し「AVの帝王」と称される有名AV監督・村西とおる氏が贈る、セックスライフ相談メルマガ。毎号読者から寄せられる倒錯・迷走した性の難問疑問に、村西監督が華麗な筆さばきで答え、行き場を失った悩みと性欲を解消してくれる。初月無料。 | | | 村西とおる | | | 週刊 | | | 840円/月 | | レビュアー:加倉井路子 | まぐまぐから出ている有料メルマガの、ほぼ全てに目を通すアラサー女子。幼少より哲学に興味を持ち、学生時代はラテン語を学ぶ。趣味は家電店巡り。 | | | 性を究める男の美学にタブーなし 毎週届く、読者参加型の官能メルマガ
今週は「ライフ系メルマガ」購読者数ランキングから、「村西とおるのナイスな人達」を、一抹の羞恥心を感じながらご紹介。AV史にその名を刻む有名監督・村西とおる氏が、地図なき性の迷宮で人知れず苦しんでいる匿名読者からの相談に、長年の経験と天性のテクニックを駆使して答えを導きだし、悩みと性欲を同時に解消してくれるというこのメルマガ。2010年創刊のメルマガで、かれこれ3年以上も人気を持続していることから、その貴重さというかありがたさがうかがえる。
読んでいて一番に感じる特徴は、その語調。とてつもなくエロい内容が、しつこいほど丁寧な言い回しでくり返されているところが、とても独特だ。例えば、3月19日の最新号「Vol.133 スチュワーデスと性の管制」で、実際にカウントしてみたところ、19つある文のうち、13つの文が「〜でございます」「〜でございましょう」調になっていた。この一見、上品な感じのする回りくどい言い回しには、あたかも下着姿で囲碁対局しているような、あるいはネクタイ以外全裸の国会答弁のような、とにかくあり得ないミスマッチ感がするのだが、それがなぜかすごく惹きつけられるものがあり、抵抗むなしく村西ワールドに吸い込まれていってしまうことになる。
さらに、比喩表現がものすごく遠回しなのだが上手い。しつこいのになかなか核心に触れず、監督はわざと読者の感性をもてあそんでいるよう。……と思いきや、急にダイレクトな表現を挟んでくるのだ。「私は三十年来、早朝の入浴時『お風呂場』でのオ○○ー(※著者注:一部伏字にさせていただきました。)を日課としております。その日の飛び具合や濃淡によって体の調子を検証するのです。」と、突然のカミングアウトが来てびっくりさせられる。そして後半にかけては、そのストレートな言い回しは、どんどん過激になっていく。まさに緩急自在のテクニシャンだ。
最新号に掲載されている、航空管制官からの「スチュワーデス(CA)に対する性欲でパイロット中の交信中にもよおしてしまう」という悩みに対して、監督はこう回答している。「日本人同士であれば日を見て三分間話せば、およその『人間の品格』は見当がるく(ママ)というものでございます。三分間でバレてしまう『人間の品格』を糊塗する為に『ブランド』に頼る『愚』を、あなたさまは知っています」
ここだけ読むと、なんだかまじめな人生メルマガみたいに見えるのが不思議。そう、タブーなき究極の男の美学が、このメルマガのテーマなのである。村西監督は真剣なのである。 (メルマガ評論家 加倉井路子) |
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