井戸 実 株式会社エムグラントフードサービス社長 寿司職人の修業を経て、数社の会社を渡り歩き26歳で居酒屋を開業。その後ステーキハンバーグ&サラダバーけんを開業し株式会社として創業。『<ロードサイドのハイエナ> 井戸実のブラックメルマガ』では読者からの相談に対しアドバイスやアイディアを提言。 | いやいや。修業時代にそんな頻繁に高額な店は行けなかったですよ。もちろん。 僕は最初はチェーンの安い店にいて、その後、銀座のそこそこの高級店にいました。お会計とか持って行くと2人で普通に8万とかなのね。その頃は「俺の月給の半分を2時間で使っちゃうんだーー!!」と常に驚いてました。 結構有名な会社の偉い人も来てたんだけど、ある日、僕が賄いで作った鰯の梅煮を見つけて、それ食べたいって話になったのね。それで提供したら偉く気に入っちゃって、来店する度に食べさせろ、って話になってしまって。ところがオヤジ(店主)が鰯をあまり使いたがらないので仕入れてくれないのね。そんで当日の昼すぎにそのお客さんから予約が入ると、慌てて鰯を用意してくれ、って話になるのよ。そうすると夕方に買えるのなんてスーパーしかない訳ですよ。銀座の8丁目、ほとんど新橋のところに「ハナマサ」があるんだけど、そこでパックで売ってる鰯を買う訳ですよ。1匹200円ぐらいの。でも結構馬鹿にできないそこそこの鰯が一応売ってるんだけど、それにしてもスーパーだよ? それでその鰯を炊いて提供するのよ。幾ら取ると思う? 平気で2,500円とか付けちゃうんだから。ヤクザだよね。本当に。でも銀座価格で許されるのね。 俺はこんな商売は絶対にしたくないと思ってたけど、やっぱり銀座って特別な場所でね。「高いもんは美味しいんだ」の論理がまかり通ってるのですよ。 話は戻りますが、やはり一流の店で修業することをお薦めします。一流とは『すきやばし次郎』とか『久兵衛』とかそういう有名店とかじゃなくて、今まさに旬の店主がいる店です。『すし匠』関係の店のどこかだったり、『すし通』の変態大将だったり、中目黒の『尚充』もいいかな。恵比寿の『くりやがわ』さんとか。そういうところで仕事を覚えるといいと思います。 |
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