山崎和邦 現在武蔵野学院大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は投資歴51年の現役投資家。 山崎和邦 週報『投機の流儀』では、投資市場で求められるもの、「解説」ではなく「洞察」が分かる! | 私ならカラ売りは原則としてやりません。 上方、下方の両方向を狙うと言うのは自分の立ち位置が不鮮明になってしまうからです。 政策の失敗を喜ぶ、減益発表を喜ぶ、と言うようにアマノジャクになってしまうからです。 別に道徳的倫理的なことを言っているのではありません。 両方向に目が行くと解らなくなるからです。 古流剣術に「柳雪(りゅうせつ)」という裏ワザに嵌らないための戒めがあります。 私は少々遣います(この週報の読者の中に剣道錬士という斯道の先輩が居られるから僭越な言い方ですが先輩は目をつむっていてください)。 敵は左手に持った小刀を我が前面へ出してきます。 我はそれを気にして敵の小刀を叩き落とすと、敵は故意に小刀を「柳から雪が落ちるように」地面にスルリと落とします。 それに我が目が行くと敵の右手の大刀が我が小手に届いている、と言う一種のケレン技です。 故に我は敵の両刀を見ずに右手の大刀の動きのみを見ているべし、という教えです。 「あの時にカラ売りしておけば良かったっけ」、と思うこともあるでしょうが、それは「あの時に買っておけばよかったっけ」と後で思うのと同じことで、私たちは野村証券時代に先輩に「福助の頭」と教わりました。 「後ろにケ(毛)がつく」と言う意味です。 投資家の戒めるべきものです。 カラ売り専門で巨富を成した人もいますが、いずれも伝説上の巨人で、私には真似できません。 |
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