冷泉 彰彦 現在、プリンストン日本語学校高等部主任。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を隔週寄稿。アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」『冷泉彰彦のプリンストン通信』では、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届け! | 余り深刻に考えることはないと思います。 AIIBというのは銀行ですから、カネを貸して戻ってくれば生き延びますし、貸したカネが焦げ付いて戻ってこないようですと、倒れてしまいます。 では、どうして中国は多くの国を誘っているのでしょうか? それはカネが足りないからだと思います。 覇権を広げるためには子分になる国にカネを融資しなくてはなりません。 ですが、カネが足りないし、万が一の場合に融資が焦げ付いた場合に、自分たちだけ困るのはイヤなわけです。 こういう言い方をすると語弊があるかもしれませんが、下手をすると失敗した「新銀行東京」のような話になる危険性もあります。 またAIIBが世銀やIMFあるいはADBなどと協調して「リスクを広範囲で受け止めれば」安全かというと、例えばリーマンショックやギリシャ危機のように、「カネの凹みが巨大」になると、広く薄く「仲良し同士がおててつないで」いても、その仲良しグループ全体が穴に吸い込まれてしまうわけです。 そんなわけで、余り深く考えずに、通常の経済行為、投資活動として妙味があれば参加し、危険性が大きければ最初からは入らないでおいて、タイミングを見計らって白馬の騎士のように「後だしジャンケン」で行けば良いのではないでしょうか? 同時に、韓国が入ろうが、欧州が軒並み入ろうが、余り気にしないことです。 |
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