2017年2月28日火曜日

_■■東条 グレアム師匠 VS シーゲル博士「10年で資産を3倍に増やす割安投資法」

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こんにちは東条雅彦(とうじょうまさひこ)です。

最近、メルマガ読者さんより多くのご質問を寄せられているため、
今後は「Q&Aのコーナー」の開催頻度を高めていく方針に切り替えます。

今まで「質問を投げたら、回答が忘れた頃に返ってきた」ということが
あったかと思いますが、これからはよりスピーディーになります。

質問数が一定数を溜まったら、返信していきます。

本編に掲載スペースがない場合は、
「号外」または「増刊号」で対応していきます。

というわけで、本日は「本編」と「増刊号」の2号をお届けしています。


15:00配信開始(増刊号):
『Q&Aのコーナー「配当を出す会社と出さない会社の違いとは!?」』

18:00配信開始(本編):
『グレアム師匠 VS シーゲル博士「10年で資産を3倍に増やす割安投資法」』


3時間前に配信を開始した増刊号の方も
お見逃しのないように、チェックしていただければ嬉しく思います。

ご遠慮なく疑問点や不明点がありましたら、
メッセージを送付していただければ嬉しく思います。


著者へのひとことメールおよび感想の送信先:
【1】kirin.kirin55@gmail.com
【2】http://snowball.onlyu.jp/blog/13hw


共通の寄せられる質問には積極的にメインの記事でも取り上げて
より深く解説していきます。

メルマガの読者さんはブログや一般の書籍には載っていない情報を
求めている人が多いと思いますので、
本メルマガではその期待にできる限り応えたいと考えております。

資産は「努力で」構築可能だと私は信じています。


さて、
本稿では「S&P500のパフォーマンスを上げる方法があるのか?」
という点についてグレアム流の投資手法の観点から分析しています。

ベンジャミン・グレアムはアメリカの経済学者であり、投資家です。

「バリュー投資の父」と呼ばれ、株式市場を運否天賦の世界から
本格的な長期投資の世界に導いた第一人者です。

日本では経済学と株式投資は別物として分離される傾向にありますが、
米国では経済学者が投資家や経営者になることが多く、
グレアムはその先駆者でした。

かつてコロンビア大学に通っていたウォーレン・バフェットは
グレアムの教え子の中で唯一A+をもらった生徒です。

バフェットは後に
「1ドルのものを40セントで買う哲学を学んだ」と述べています。

財務諸表を分析することで「本質的価値」を求められます。

その本質的価値よりも低い値段で取引されている株式を
購入するというシンプルな投資手法で資産を
構築していくのがグレアム流の投資手法です。

S&P500という500社の平均株価であっても、
割高な時と割安な時があるはずです。

グレアム流の投資でタイミングをうまく計ることで
インデックス投資の成績を高められるのかどうかを検証していきます。

最近はかなり面倒をお掛けして申し訳ございませんが、
下記の【図表】に関するリンクは全てクリックして、
ぜひ視覚的に確認することで少しでも理解を深めていただきく思います。


【図表1】NYダウ、S&P500
【図表2】Wikipedia英語版「S&P500のリターン表」(Annual returnsの項目)
【図表3】1970年1月1日にS&P500に投資した1ドルの推移
【図表4】S&P500 10年後に何倍になったのか?
【図表5】企業価値と株価の関係
【図表6】大きな安全域
【図表7】グレアムとバフェット「投資法の違い」
【図表8】S&P500のPERの推移(1970年〜2016年)


(※)図表1と図表2以外は全て私の方で作成しました。

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【目次】
1. グレアム師匠 VS シーゲル博士「10年で資産を3倍に増やす割安投資法」
2. 東条雅彦のオススメ本棚
3. 編集後記『オススメのスマホ無料アプリ5選!』
4. ウォーレン・バフェットの名言

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編集後記では『オススメのスマホ無料アプリ5選!』を紹介しています。

「東条雅彦のオススメ本棚」では
私が実際に読んで役立った書籍を置いています。

2017年に入って、原田隆史さんの「達成する人の法則」を
毎週、案内していますが、このDVDは本当に素晴らしい内容になっています。

ぜひ人生の目標設定に役立ててください。

今、セール価格になっていて、
この講演をまるまる視聴できるのは間違いなくお得だと思います。

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本日も最後までよろしくお願いします。

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■■ グレアム師匠 VS シーゲル博士「10年で資産を3倍に増やす割安投資法」

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▼『インデックス投資にタイミングは関係がない』というシーゲル博士の主張


ニューヨークダウが2万ドルを突破して、S&P500は2,300ドルを超えています。

米国市場はリーマン・ショックのあった2008年から急激に落ち込み、
2009年に底打ちしました。

そこからの反撃が凄まじく、大きな調整がないまま上がり続けています。


【図表1】NYダウ、S&P500
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/x6yj


インデックス投資家はこのように平均株価が上昇している局面でも
気にせずに購入してもいいのでしょうか。

インデックス投資の研究者として著名なジェレミー・シーゲル博士は
「景気変動の予想はできないから、定期的にS&P500に買いを入れよ」
「配当金はどんどん追加投資に使うべし」と説いています。

米国の株式市場は過去200年にわたって上昇し続けています。

株価は上がったり下がったりを繰り返しますが、
本質的価値はどんどんと上昇していきます。

前号でも紹介した「S&P500の年次リターン表」(英語版Wikipedia)の
項目「Value of $1.00 Invested on 1970-01-01」には、
1970年1月1日にS&P500に投資した1ドルがその後、
どのように増えていったかを示しています。


【図表2】Wikipedia英語版「S&P500のリターン表」(Annual returnsの項目)
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/8vhe


この表をわかりやすく改造して、10年毎に横に並べたのが次の表です。


【図表3】1970年1月1日にS&P500に投資した1ドルの推移
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/bf7e


この表を見れば、1970年1月1日に投資した1ドルが
どのように増えてきたかが一目でわかります。

視線を1つ落とせば、10年後の資産価値がわかるようになっています。

いつ投資を開始しても、10年後には資産価値が2倍ぐらいに増えています。

このことが「インデックス投資で資産を形成できる」という
エビデンス(証拠)だと言えるでしょう。

S&P500に投資を開始したのに、10年後に損してしまったケースは、
1998年と1999年の2年間だけです。(赤枠で囲いました。)

しかしながら、11年後には利益になっています。

もっとわかりやすいように10年後に何倍になったのかを
色分けして書き加えたのが次の図表です。


【図表4】S&P500 10年後に何倍になったのか?
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/4xs9


前回でも述べた通り、
エコノミストは『1980〜82年の厳しい景気後退』を予想していました。

ところが、蓋を開けると、1980年の10年後には3.69倍、
1981年の10年後には5.06倍、1982年の10年後には4.48倍に
資産が増える結果になりました。

エコノミストの景気後退予想を信じて、投資を手控えていた投資家は
とても大きな投資機会を逃したことになったのです。

特に1980年代は10年後に資産が3倍以上になるゴールデンタイムでした。

いつ投資を実行してもよかったのです。

シーゲル博士の主張は間違っていません。

しかしながら、ファンダメンタルズに基づいて、
投資判断をしている投資家からすると、
「いつ投資を実行しても大丈夫で景気後退を予想することは無意味だ」
と言われても、納得しない人が多いのではないでしょうか。

シーゲル博士の理論は、
バリュー投資の生みの親であり、バフェットの師匠でもあるグレアムの教義と
とても相性が悪いという側面があります。

そもそも、運悪く1998年と1999年に投資を開始した場合、
10年後にはマイナスのリターンでした。

インデックス投資に投資タイミングを工夫することで
もっと利益になる投資法があるのかどうか、本稿ではここを探っていきます。


▼バフェットの師匠グレアム『バリュー投資論』と矛盾する?


ウォーレン・バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムは
世界で初めて「バリュー投資論」を説きました。

こちらの図をご覧ください。


【図表5】企業価値と株価の関係
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/gv85


株価は企業の本質的価値そのものを常に表しているわけではないことを
グレアムは見抜きました。

そのため、株価が本質的価値よりも下回ったタイミングで購入すれば、
利益が大きくなるという投資手法を確立しました。

グレアムは「価値>株価」になっている部分を「安全域」と命名しました。

バフェットはグレアムの安全域の概念について次のように述べています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ベン(ベンジャミン・グレアム)は、
「堅固な投資の極意を3つの単語で言い表すという同様の難題に直面する今、
我々は勇気を奮ってそれを『安全域(MARGIN OF SAFETY)』であると述べよう」
と指摘しています。

このシンプルな3つの単語を心に刻まない投資家は、
膨大な損失を被ることになるでしょう。

わかりやすくいえば、価値が1億ドルの事業を9900万ドルで
買ってはいけないということです。

時価に対して大きな安全域を有した価値ある銘柄を探すべく、
誰よりも投資先を調べ上げ、慎重にタイミングを図るのです。


ウォーレン・バフェット

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

この説明を読むと、単純に「価値>株価」となっている部分で
投資をするのではなく、
株価が大幅に安くなっている状態で投資すべきだと言っています。

図に表すと、次のようなイメージになります。


【図表6】大きな安全域
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/0ijd


インデックス投資でも
グレアムのいう「大きな安全域」は存在するのでしょうか?

S&P500という米国を代表する500社の平均株価の指数であっても、
企業価値という「本質的価値」の周りを株価が上下に動いていることには
変わりはないはずです。

それであれば、インデックス投資でも「大きな安全域」を
狙える方法はあるのではないか!?、この疑問に応えていきます。


▼グレアムの投資法はPBRとPERで判断する!


バフェットは昔、師匠のグレアムの投資法(資産バリュー・収益バリュー)を
真似んでいました。

しかし、今は異なる投資法(成長バリュー)を実践しています。

しかしながら、
株価と本質価値との乖離(=安全域)を狙うという根本の考え方は同じです。

こちらの図をご覧ください。


【図表7】グレアムとバフェット「投資法の違い」
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/fif2


<グレアム>
・資産バリュー投資法・・・企業の資産価値を元に評価する。(指標:PBR)
・収益バリュー投資法・・・企業の収益価値を元に評価する。(指標:PER)

<バフェット>
・成長バリュー投資法・・・企業の成長性を元に評価する。(指標:ROE)


この図はとても重要なので、後日、配信するメルマガでも使う予定です。

これからグレアムの評価方法をベースに話を進めます。
(バフェットが成長バリューに移った理由は別の機会に解説します。)

グレアムの投資法はとてもシンプルです。

現在の株価が利益額または資産額の何倍になっているのかを
確認して、倍数が小さい程、大きな安全域が存在していると考えます。


<ケース1>
A社の株価:10万円
A社の1株当たりの純利益(EPS):1万円
⇒PER:10倍(10万円÷1万円)

<ケース2>
A社の株価:50万円
A社の1株当たりの純利益(EPS):1万円
⇒PER:50倍(50万円÷1万円)


上記のケース1とケース2を比較すると、
どう考えてもケース1の方が投資家から見ると、取引条件が良いと言えます。

ケース1の場合、実際の利益に対して株価が割安に遷移しているので、
このタイミングで投資した投資家は大きな利益を上げられる可能性が
高くなっています。

反対にケース2の場合、実際の利益よりも株価が割高に遷移しているので、
今後、株価が値下がりしてしまう可能性が高い状況です。

A社の利益が今後、どんどん増えていく場合、ケース2のように
割高になっていても、後から現在の株価が正当化されるかもしれません。

しかし、将来のことは不確実なので、グレアム流の投資方法では
「株価が割高で遷移している場合、安全域がないどころか、
危険域に突入している」と考えます。

資産で評価する場合はPBRという指標(1株当たりの資産に対して
株価が何倍になっているか?)が使われますが、理屈は同じです。

PERやPBRが高ければ高い程、危険と見なし、
PERやPBRが低ければ低い程、安全だと見なします。


▼S&P500のPERの推移から割安・割高を判断できるのか?


グレアム的な観点でS&P500のPERの推移を確認していきましょう。


【図表8】S&P500のPERの推移(1970年〜2016年)
⇒ http://snowball.onlyu.jp/blog/dsf2


・現在PER=青色の棒グラフ
・10年後、何倍?=赤色の棒グラフ

「現在価値」は1970年1月1日にS&P500に1ドルを投資した
資産価値(ドル)を示しています。

「現在PER」は青色の棒グラフで示し、
「10年後、何倍に増えたのか」は赤色の棒グラフで表現しています。

まず視覚的に確認していただきたいのですが、
青の棒グラフが短い方が赤の棒グラフが長くなっているという点に
注目してください。

年代別にざっくりとした傾向を解説していきます。


【1970年代】
(PER)
前半はPERが少し高く、後半はPERが低かった。
(10年後の資産)
前半は2〜2.5倍、後半は3.6〜5倍に増えた。

【1980年代】
(PER)
PERは全体的に低い傾向にあった。
(10年後の資産)
概ね3.5〜5倍に増えた。

【1990年代】
(PER)
1980年代に比べてPERが高い傾向にある。
1999年にはPERが32.92倍にまで増えた。(=ITバブル)
(10年後の資産)
2倍ぐらいに増えた。1998年と1999年は資産が逆に減った。

【2000年代】
(PER)
PERが20倍前後に推移している。
2002年はITバブル崩壊の影響、2009年は前年のリーマンショックの影響で
PERがそれぞれ46倍、70倍に跳ね上がっている。この2つは異常値である。
(10年後の資産)
2000年、2001年に投資を開始した場合、資産はほとんど増えない。


グレアムは「PERが低い方が大きな利益を得られる」という考えは
概ね正しいと断言できます。

PERが10倍以下でS&P500に投資した場合、
全てのケースで10年後の資産は3倍以上に増えています。

1980年代は投資するにはとても良いタイミングだったのは、
S&P500が割安に評価されていたことも一つの要因でしょう。

あと、このPERを見る上で注意すべき点があります。

それは大幅な景気後退(バブル崩壊、金融危機等)があった場合、
赤字になる企業が続出するため、利益が大きく落ち込みます。

そのため、PERが必要以上に上昇して異常値になります。

2001年、2002年に起きたITバブルの崩壊と2008年のリーマンショックの影響で、
株価が暴落しています。

景気後退によってPERが突如、割高(40倍、70倍)になった場合、
割高ではなく、逆に「割安」になります。

以下に整理してまとめます。


<通常時のPER>
10倍以下⇒割安(投資すべきタイミング)
20倍前後⇒適正(グレアム流では投資を控えるべきタイミング)
30倍以上⇒割高(グレアム流では絶対に投資してはいけないタイミング)

<大幅な景気後退(バブル崩壊、金融危機)直後のPER>
40倍以上⇒割安(PERの値にかかわらず、逆に投資すべきタイミング)


▼グレアム流での大儲けパターンとは!?


PERを見れば、S&P500が割安なのか適正なのか割高なのかについて
ざっくりと判定できます。

グレアム流でS&P500に投資する場合の大儲けパターンは次の2つです。


<大儲けパターン>
1)PERが10倍以下 (妥協しても15倍以下)
2)大幅な景気後退(バブル崩壊、金融危機等)の直後


調べると、具体的には次の年でした。


<S&P500のPERが10倍以下だった年(1970年〜2016年)>
年   PER   10年後、何倍?
1980年 7.39倍 3.69倍
1982年 7.73倍 4.48倍
1979年 7.88倍 5.04倍
1978年 8.28倍 4.53倍
1975年 8.30倍 3.81倍
1981年 9.02倍 5.06倍


<S&P500のPERが10倍以上15倍以下だった年(1970年〜2016年)>
年   PER   10年後、何倍?
1985年 10.36倍 4.00倍
1977年 10.41倍 4.14倍
1983年 11.48倍 4.02倍
1984年 11.52倍 3.83倍
1974年 11.68倍 3.97倍
1989年 11.82倍 5.33倍
1976年 11.83倍 3.65倍
1988年 14.03倍 5.80倍
1986年 14.28倍 4.15倍
2012年 14.87倍 (現時点で1.7倍以上)
1995年 14.89倍 2.38倍


<大幅な景気後退(バブル崩壊、金融危機等)の直後>
年   PER   10年後、何倍?
2002年 46.17倍 1.99倍
2009年 70.91倍 (現時点で2倍以上)


既にお気づきの方も多いと思いますが、グレアムの視点で言えば、
近年では「ほとんど買うタイミングがない」という結果になります。

PERが15倍〜25倍ぐらいで推移している年に購入しても、
10年後に資産が2倍以上になっているケースがほとんどです。

2008年のリーマンショックの落ち込みが激しすぎたために、
1998年と1999年に投資を開始した場合、
10年後にマイナスリターンになってしまったと言えます。

それぞれPERは24.29倍(1998年)、32.92倍(1999年)でした。

1999年の32.92倍は割高なので避けることはできたとしても、
1998年の24.29倍は相当、判断に迷うし、難しい局面です。

グレアム流でインデックス投資を実践した場合の
メリットとデメリットを以下にまとめます。


<グレアム流インデックス投資のメリット>
・PERが10倍以下(妥協として15倍以下)の場合、安全域が大きいため、
 資産を大幅に増やせる。
・大幅な景気後退(バブル崩壊、金融危機)直後は、「文句なしに買い」である。

<グレアム流インデックス投資のデメリット>
・投資チャンスが10年に1回ぐらいしかない。
 チャンスを伺う場合、機会損失の方が大きくなる。


▼今のS&P500は割安ではないが、投資を見送るのが良いとは言えない理由


1980年代はS&P500のPERが10倍前後になっていることが多く、
明らかにチャンスでした。

平均株価がその水準だったら、個別銘柄で探せば、
PERが5倍の優良企業も多く存在していたことは容易に想像できます。

ただ、多くの人は「昔のこのタイミングでは買い場でした」
という過去の栄光話を聞かされても困ってしまうはずです。

知りたいのは「今、買っても大丈夫なのか?」です。

グレアム流の観点では残念ながら、
今のS&P500に「大きな安全域がある」とは言えません。


<近年の状況>
年   PER
2012年 14.87倍
2013年 17.03倍
2014年 18.15倍
2015年 20.02倍
2016年 22.18倍
2017年 26.57倍(2017/2/26時点)


個別銘柄で投資する場合、割安な銘柄を見つけて、投資できます。

しかし、インデックス投資の場合、
「平均株価」に投資するため、そのような銘柄選定は不可能です。

シーゲル博士の「景気後退を予想することは不可能だから、
とにかく投資を開始して、複利の力で資産を増やそう」という
主張は正しいと言えます。

1998年の10年後の2008年にリーマン・ブラザーズが倒産することを
予見できた投資家はいませんでした。

1998年、1999年にS&P500に投資して、
10年後にマイナスリターンになったことは仕方のないことだったのです。

前号の内容と重複しますが、
インデックス投資では投資期間を長くすればするほど、
「安全域」が拡大していきます。


<インデックス投資における最低平均年利の推移>
5年保有:−2.35%
10年保有:−1.35%
15年保有:+4.24%
20年保有:+7.68%
25年保有:+9.15%


10年の投資ではマイナスのリターンになる可能性もあります。

元金100万円が毎年−1.35%ずつ下落した状態が10年続くと、
10年後には87万円になってしまいます。

そこから我慢してさらに10年保有を続けた場合(合計20年保有)、
元金100万円は439万円に増えます。(平均年利+7.68%)

運悪く1998年、1999年に投資を開始した人でも
ひたすら保有し続けば、大きなプラスの収益を手にできます。

ここがインデックス投資の凄い所です。


▼グレアム流でインデックス投資を実践しにくい理由


グレアムの「安全域」という概念は全ての投資で使える考え方です。

しかし、インデックス投資でグレアムの理論を当てはめようとすると、
投資チャンスが極端に少なくなります。

なぜなのでしょうか?

その理由はS&P500は米国を代表する500社の平均株価だからです。

500社の中には割安の銘柄もあれば、割高の銘柄も存在しています。

平均株価ではその歪みが平均化されて、かき消されてしまうのです。

インデックス投資でグレアムのいう安全域を確保できるケースは、
S&P500を構成する500社が同時に割安になる時しかありません。

逆にこういう時に出くわしたら、
「絶対にチャンス」なのは言うまでもありません。

ただ、人生においてそういうチャンスは数回しかありません。

グレアムはインデックス投資に関して次の言葉を残しています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

大半の投資家は個別銘柄など選ぶ必要などないということを
繰り返し申し上げておいたほうがいいだろう。

銘柄選びをしてみようという人のほとんどが、
思っていたほどうまくできないことを悟らされる。

運のいい人は早くからそのことに気づいているが、
運の悪い人は気づくまでに何年もかかる。

自分でうまく銘柄選びができるのは、
ほんの数パーセントの投資家にすぎない。

もしかしたら、
みんながインデックスファンドの力を借りるのが理想なのかもしれない。


ベンジャミン・グレアム

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

実はグレアムも市場平均に勝つことの難しさをよく理解していて、
バフェットと同じように、
一般の人にはインデックス投資をオススメしていたのです。


▼本稿のまとめ

シーゲル博士の主張もグレアム氏の主張も間違ってません。

それぞれに良し悪しがあるという話です。

最後にそれぞれのメリットとデメリットを下記にまとめます。


<グレアム流の投資手法>

メリット:
S&P500のPERが10倍以下(妥協しても15倍以下)の時に投資を開始すると
10年で資産を3.5倍以上に増やせる。

デメリット:
投資するタイミングが極めて少ないため、
株価が割安になるのを待っている間、機会損失になる。


<シーゲル流の投資手法>

メリット:
いつ投資を開始しても15年保有し続ければ、
ほぼ100%の確率で利益を得られる。
タイミングを問わずに投資を始めるので、機会損失がない。

デメリット:
S&P500のPERが20倍以上のタイミングで投資を開始すると、
確率は低いが、10年後に資産がまったく増えない(むしろ減る)ことがある。
(その場合は保有期間を15年に引き延ばせば、収益がプラスになる。)


なお、現在(2017/02/25)のS&P500のPERは26.57倍になっています。

<参考:S&P500のPER>
⇒ http://www.multpl.com/

運悪く10年後に資産が減ってしまう可能性がある水準だと言えます。

ただし、投資期間を15年まで引き延ばせば、
かなりの高確率(過去の統計では100%)でプラスの収益が得られます。


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■■ 2. 東条雅彦のオススメ本棚

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■■ 3. 編集後記『オススメのスマホ無料アプリ5選!』

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私が普段使っている「オススメのスマホ無料アプリ」、ベスト5を紹介します。

もう今は電車の中とかでは新聞や雑誌を読んでいる人は皆無ですね。

90割ぐらいの人はスマホを見ています。

スマホはなくてはならないアイテムになってきました。


◎第1位「捨てメアド(メルアドぽいぽい)」

【Android版】https://goo.gl/rCHAiG 【iPhone版】https://goo.gl/pXnRDA

以前も紹介していた「メルアドぽいぽい」。

このアプリはヤバイです。

私は無料で情報を得るために、
捨ての「メールアドレス」を使うことが多いため、
このアプリはかなり重宝しています。

パソコン版もあるのですがどちらかというと、
スマホ用に最適化しているように感じます。

<パソコン版のメルアドぽいぽい>
⇒ http://ameblo.jp/snowballb/entry-12168617699.html


◎第2位「ESファイルエクスプローラー」Androidには必須のアプリ!

【Android版】https://goo.gl/RMlltF

iPhone版は存在していませんが、これは最近、お気に入りのソフトです。

スマホ内に入っている動画やファイルを簡単に整理できます。

また、付属で付いている「ESメディアプレイヤー」も
なかなか使い勝手が良くて、気に入っています。

Androidの場合、標準の音楽プレーヤーでは画面を閉じると、
再生が停止状態になるという難点がありました。

ESメディアプレーヤーだと、他の画面に切り替えても、
バックグラウンドで音楽を再生し続けてくれます。


◎第3位「マネーフォワード」家計簿アプリの決定版!

【Android版】https://goo.gl/eoxLTK 【iPhone版】https://goo.gl/iTI5Xh

以前、メルマガでも紹介していた「家計簿アプリの決定版」です。

ほとんどの銀行・クレジットカードに対応していて、
資産の管理が自動的に行えます。

ただ、本気で節約したい場合はアプリではなく、
昔ながらの紙の家計簿での管理をオススメします。


◎第4位「tenki.jp」10日間の天気がわかる!(天気図付き)

【Android版】https://goo.gl/ncIqmi 【iPhone版】https://goo.gl/gBUKgT

天気予報のアプリと言えば、元々、プレインストールされている
「Yahoo!天気」を使っている人が多いかもしれませんが、
私は「tenki.jp」派です。

さすが日本気象協会が作っているアプリだけあって、
かなり丁寧に作り込まれています。

「Yahoo!天気」では最長でも1週間分の天気予報しかわかりませんが、
tenki.jp」では直近10日分の天気予報が表示されています。

さらに天気図もついているので、
大局的な視点からも天気の状態が把握できます。

オススメです。


◎第5位「Sky Map」ありそうでなかった天体観測専用アプリ

【Android版】https://goo.gl/QIdKe5 【iPhone版】https://goo.gl/SXumkE

最後にちょっと変わったアプリを紹介します。

アプリを起動して、スマホを空にかざすと、画面上に星座が表示されます。

開発元は「Google」です。

いかにもGoogleらしい発想のアプリですね。

今まで空を見上げて、なんとなく綺麗だなーと思っていたのが、
このアプリを通して、夜空を見上げると、また違った光景に映ります。


以上となります。

何か一つでも気になるアプリがあったら、ぜひ入れてみてください。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

本日は「本編」と「増刊号」の2号をお届けしています。

増刊号を読んでいない方はぜひそちらの方もお読み願います。

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■東条雅彦オススメの無料書籍「自分を不幸にしない13の習慣」
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■■ 4. 本日のバフェットの名言

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我々はけして後ろを振り向かない。
我々の頭に浮かぶのは多くのものが待ち受けている未来だけだ。
ああしておけばよかったとくよくよ考えても、過去を変えられるわけではない。
あなたは前を向いて生きるしかないのだ。

ウォーレン・バフェット


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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本稿の内容(過去配信分も含む)で疑問点やご意見はありますか?

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〜雪ダルマ式に資産が増える52の教え〜

発行責任者:東条 雅彦 (とうじょう まさひこ)
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